2016年12月28日水曜日

冬シリーズ前半戦終了!


 みなさんクリスマスはのんびり過ごせたでしょうか?北海道はニュースでもご存知と思いますが大雪でパニックでした。雪に慣れていると言ってもここまで降られるといかんともしがたいですよ。外来受診の後に足止めを食らった方もいたようですし、退院された方の中にも(兵庫の方ですが)、2日足止めされてようやく取れたのが福岡便、という方もいらっしゃったようです。写真で見ると、おー素敵なホワイトクリスマス!と思うかもしれませんが、決してそんな楽しいものではありませんよ。恒例の病棟のクリスマスイベントは、病棟にインフルエンザの方が出たりしたこともあり、病棟内を回って歩くのは自粛してカンファレンスルームでやったので、若干盛り上がりにかけた感がありました。
医大の雪景色

歩くところがあまりないです


 

 とにかく冬シリーズの前半戦が終了したわけですが、まあいろいろなハプニングがありました。良かったことと言えば、実は感染で昨年耳が全部だめになった子がいたのですが、今回軟骨移植で無事勝利しました(と言っても退院後軟骨が露出したかも、ということで慌てて再入院・・・幸い軟骨は出ておらず、傷も治って今度こそ大丈夫と思いますが)、一方で、ノロ感染(これも伝染せずに済んで良かった~!)、術後の肺炎、なぜかお腹の皮膚採取部の傷が治らない、耳起こし後にもしや耳下腺炎??などなど、などなど一筋縄ではいかないことが続いて大苦戦でした。いずれも耳には大きな影響のない出来事ではあったので、何とか今年も乗り切れそうです。


左のトナカイは医大に合格した例の小耳症の彼です
右の悪トナカイは今年1年耳の処置に良く付いてくれた大沼先生


 

 さて、今日は一応病院の御用納めとなりましたが、仕事納めの今日も外来でしたし、なんと仕事始めの1/4も外来からスタートという全然有り難くないパターンです。来年は1/5が手術初めで、1月もがんがんお耳の手術の方が入院してきますので、休む暇ないですね~。おまけにここに来て論文の執筆依頼が続けさまに飛び込んできて、自分の書きたい論文もなかなかはかどらない状態です。とにかくやたら早く冬が始まったので、早く終わって欲しいものです。

2016年12月14日水曜日

術後の受診について


術後の診察について、大体各手術の退院後に、それぞれ1, 2回の受診をお願いしています。それと同時にその後の長期での受診についてのお願いもしてはいるのですが、経過で特に気になることがないと遠方でもあり、ついつい億劫、または忘れがちになっている方たちもいらっしゃるようなので・・・ご自身の耳ですから、あくまで自己責任ですし、私から連絡して受診を勧めるようなことはしませんが、可能な範囲でお願いできればと思います。

 

小学6年生までに2回の手術を終えた方たちの場合、中学1年、中学2年、高校1年、大学1年、それ以降で一度最終の受診、という感じで5回位経過を診せていただけるのがベストです。

 

理由としては、形成した耳介にはワイヤーが入っていますので、時間の経過とともに、皮膚が薄くなったり軟骨が多少痩せたりすることにより、ワイヤー露出の可能性があります。上記くらいの間隔で定期的に受診いただければ、耳介のメインテナンス、および予防的に露出しそうなワイヤーがあるようであれば、その抜去(外来で短時間で簡単にできます)をすることで、その後のリスクの予防が行えます。また、長期での耳の変化を確認させていただき、フィードバックさせていただくことは、何より今後の治療の向上のためにも重要なことなので、問題ないと思っても(実際問題がなければ診察はすぐ終わってしまうのですが)、そうおっしゃらずにお越しいただけますよう・・・


奈良の学会の様子
左から向かって私、パク先生、知らない女性、今井学会長

先週の大雪のあとの私の車
一夜にして60cm近い積雪でした


2016年12月7日水曜日

適切な手術年齢について


手術をするにあたり、現時点で下限を小学5年以上としていますが、体格の明確な基準は設けていません。受診された方々には説明をしていますが、手術時期に関しては少なくとも肋軟骨移植を行う限りは早いよりは遅い方が、絶対に本人にとっても耳にとっても有利です。理想的には中学~高校生です。理由は簡潔に言うと、小学生のうちはまだ未熟な軟骨が多く、未熟な軟骨で耳を作っても形が崩れたり吸収されたりしやすいということ、体が小さいと胸郭への負担が大きく、胸郭の変形が大きく生じることなどです。

一応目安としては身長135cm以上、および30kg以上と考えるとよいかと思います。学校の問題を考えるとなかなか中学生で、というわけにもいかないのは承知していますので、その基準に達していなくとも希望があれば手術はできますが、それらのリスクも理解したうえで手術の年齢を検討いただければと思います。特にクラスで身長順に並ぶと前の方、という方は5年生に固執せずに、6年生で検討するのが賢明と思います。


 

さて、先週末はアジア国際顎顔面外科学会という学会が大阪市立医療センター今井先生会長の元開催され、行ってまいりました。自身で耳の発表をしたほか、友人の韓国のパク先生が今回は特別講演でお越しになり、その座長をさせていただいたわけです。もちろん国際学会だからすべて英語ですよ。私にとってはかなりの苦行で、特にパーティにも出ないといけないわけですが、海外の色々な方から声をかけられては、たどたどしい英語で返事をするというつらい時間でした。国際学会に出るたびに、思いを表現できないもどかしさでいっぱいになり、明日から本気で英語やろう!と思っては挫け、の繰り返しを毎年凝りもせずやっております。

会場は奈良で、私は初めて奈良に宿泊しました。以前も奈良で学会はあったのですが、その時は奈良の宿がいっぱいでやむを得ず大阪に泊まったという経緯があったので、今回はしっかり早めに予約をして宿を押さえたわけです。奈良は有名な観光地ではあるものの、日帰り観光の方が多く、思いのほか宿泊施設が少ないんですよね。で、奈良の夜は結構寂しかったです。日が暮れると人通りもまばらで、ぶらっと一人で気軽に入れるような居酒屋を探すのもなかなか大変で、奈良はいい街ではあるのですが、晩御飯付きの旅館に泊まるのでなければ、宿泊には不向きな街かもしれません。

それでも私が楽しみにしていたのは、久しぶりの大仏様にお会いすることと、高速餅つきで有名なお餅屋の餅を食べること。大仏様はやはり大きいだけでなく、綺麗なお顔立ちでしたね。餅も高速餅つきの現場は見れなかったものの、あそこのお餅は美味しかったですよ。餡入りヨモギ餅onlyというのがちょっと残念で、餡のないシンプルなやつとかも出して欲しいなとは思いますが、学会場と宿の間にちょうどお店があるので結局3回も食べてしまいました。

奈良と言えばやはり大仏様

学会場は駅に直結した奈良100年会館


たそがれの猿沢池と興福寺五重塔


紅葉にはちょっとすでに遅かったのがやや残念