2017年11月7日火曜日

日本耳介再建研究会始動!

うちの秘書さんが作ってくれた入魂のポスター!
素人が作ったとは思えない出来栄えですよね
ちなみにこのHPも耳介再建研究会のHPもほぼ秘書さんが作ってます

今年に入って一念発起、ついに日本耳介再建研究会を立ち上げました。英語記載ではJapan Society for Auricular Reconstruction (JSAR)・・・ちょっと格好いいでしょ!

通常の学会は、勢力争い的な政治的な色が強く、発表や質疑応答もよそ行きの内容になってしまい、本当に我々がやりたい、聞きたい、という演題って少ないんですよね。どちらかというと、我々はこのようにやったら成功しました!こんなすごい結果出してます!という感じの自慢大会になってしまう傾向が強いのですよ。それに、シンポジウム・・・一般の演題よりも時間を取って特定のテーマについて、経験豊かな演者たちに発表、討論してもらう趣旨の学会の目玉のセッションです・・・なんかも、実力で選ばれるというよりは、政治的に力のある施設に割り振られますしね。正直なところ、たいした経験もなく、底が浅く、聞く価値なし!と思う発表もしばしば。私も今でこそ耳のセッションではほぼ声がかかる状態になりましたが、10年前までは、殆ど声かからなかったんですよ。その頃にはとっくにライバル不在状態になっていたんですけどね~!

でも、本当に我々がしたいのは、失敗した症例、トラブルを起こした症例、これどうやって治療したらいいのか相談したい症例!とか、そういう内容を、ぶっちゃけトークできる場なのです。そこで、一切の政治的色合いをなくし、ある意味、四ッ柳塾、的な会として立ち上げたわけです。

そして、先週末の112.3日に、ついに札幌医大で第1回の研究会を開催しました。詳細は近々研究会HPも立ち上げてアップしますが、非常に濃密な2日間になりました。今回は私のところに見学に来た医師たちを中心に声を掛けてやったのですが、それでも総勢で30人以上集まりましたよ。初日午後はライブサージャリーと言って、私が手術しているところをカメラで映して別室に中継します。それで、そこに集まっている方たちに説明したり、質問を受けたりするものです。モデルとなる患者にはあらかじめ趣旨を説明してご協力をお願いしましたが、なにせ手術を凝視している大勢のプロの前でへたなことはできないですからね。なかなか緊張しました。そのあとにやった懇親会がまた大盛り上がりでしたよ。

翌日の午前はご存知、人参教室!軟骨の代わりに人参に細工をするモデルサージャリーなのですが、これもみなさん一生懸命やっていて、盛り上がりましたよ。すでに手術の経験ある先生でも、細工の再確認の意味で有効ですし、これからやっていきたいという先生も、イメージトレーニングには良い機会かと思います。完成したら、最後にゴム手袋の中に入れて陰圧を掛けると、皮膚に覆われた耳のイメージができ、より臨場感が沸きます。午後は症例検討会。これはそれこそ困った症例、苦労した症例、どうしたらよいか相談したい症例、を演題として発表し、皆で相談する会。どちらかというと私の意見を聞きたい的な発表ではありましたが、他の先生がどういうところで困っていて、どういう解決策があるかを聞くだけでも相当ためになったのではないかと思います。

出席された先生たちからは、非常に勉強になった、充実した、と意見をいただいたので、第1回としては大成功だったのではないかと思います。私もこれから国内全体の耳の手術のレベルの底上げをしなければいけない立場ですから、一切出し惜しみせず全て見せましたよ。来年からは、もう少し広く告知をして、まだまだ隠れているはずの耳の治療をやっている先生、やりたい先生が気軽に参加できるような会にしていきたいと思っています。HPを立ち上げたら、是非そちらの方も覗いてみてください。今国内でどのようなメンバーが耳に力を入れてやっているのか、またはやって行こうとしているのか、参加者を見るとわかるはずですよ。