2018年12月25日火曜日

アジア巡業



 今年はとにかく私は当たり年で、久しぶりに研究予算として文科省の科研費が当たったのを皮切りに、講演依頼、学会のシンポジウムの依頼、教科書編集の依頼などなど、いろんな仕事が舞い込んできました。その中でも11月からのアジア巡業シリーズはきつかったです。人生史上一番忙しかったかもしれないです。
11/29-12/1のインドの国際熱傷学会に行くことは前から決まっていたのですが、日本形成外科学会から、台湾形成外科学会で講演をするよう要請があり、インドの日程と重なっているということでお断りしたところ、ではその代わりに韓国形成外科学会に行ってほしいとのことで、11/9-11と韓国に講演に行きました。さらに新たに12/1-3のアジア国際顎顔面外科学会から招へいがあったのですが、この講演日が12/1となっていて、やはりインドと重なっていたので、その旨お断りしたところ、12/3に講演日を変更すると言われてしまったのでそれ以上は断れず・・・
結局どういうスケジュールになったかというと、11/28にインドに向かい、12/1に講演。同日夜の飛行機で翌12/2に羽田着(インドから韓国直行便で行くと旅費が莫大になってしまうので、日本経由で韓国に向かうことになりました)。そのまま羽田から韓国へ。翌12/3に講演後すぐ空港に向かい、同日深夜に羽田着。韓国は1泊のみという国内学会以下の日程でした。羽田で一泊して(3時間しか寝る時間なかったです)、朝一の飛行機で札幌へ。まっすぐ病院に向かい、10時から外来開始。午後もしっかり3人の新患の診察をして、病棟処置、教室カンファ、とやりましたが、さすがにカンファの時は半分意識飛んでました。海外にいる間も返せるメールの返事は返していたのですが、病院を数日開けると大学や学会の仕事が大量に溜まってしまうので、その処理に今までかかってました。

インドと言えばカレーですよね。ということで一回だけ本場のカレーを食べてきました。

カレーレストランの入り口に、いかにも!という方がいたので写真を撮らせていただきました。

インドの土産を喜ぶ人はいなそうなので、自分用に象の守り神を購入。


 そして、このアジア巡業の3講演、勿論英語ですが、実は私史上初の、原稿なしでやりました!まあ日常英会話は全然だめなのですが、専門に関する英語はさすがに多少わかりますし、形成外科の発表はスライドを見ていると説明がへたでも何となくわかりますからね。で、結果何とかなったのですが、やはり上手下手、というよりも、やってみてわかった一番の価値は、説得力が増す、という点にありました。私は国内の発表でも昨年まではずっと原稿を作って読む形で発表をしていたのですが、今年に入ってから、一念発起、すべて原稿なしに転換してみたところ、発表が語り口調になるので、聞いている人により伝わりやすいということに気づきました。これは英語においても同じで、会場の人たちに対して、ただ話すのではなく伝えようとすることが大事だと、医師生活30年にしてようやく悟ったわけです。もちろん与えられた時間内に終わらないといけないので、結構練習が必要です。今回もせっかくの海外にもかかわらず、ほぼホテルに籠って練習していた感じでしたけどね。そしてもう一点、自分の言葉で発表すると、質問が来ても言葉が出てきやすいという利点もありました。普段話す機会がないと、知っている言葉も口からなかなか出て来ないですからね。まあ質問自体がよくわからずpardon?連発でしたが。目下の目標はアメリカで原稿なしで発表すること。アジアの学会は英語が得意でない医師も多いので、へたくそな英語でも許してくれますが、アメリカだと許してくれないですからね~・・・
ちなみに11/22-23には第2回耳介再建研究会を開催しました。昨年お越しになった先生たちに加え、新たに10人以上の医師の参加があり、非常に活気ある学会になりました。地道に続けることで、日本全体の耳介再建の実力がアップしていくと思っております。内容は研究会のHPにアップしていますので、是非ご覧ください。