2020年1月8日水曜日

来年(2021年)以降の手術をご計画の皆様へ

先日も書きましたが、手術希望人数の方に対しての年間手術枠がぎりぎりの状態ですので、初診のきわめて早かったわずかの方を除き、多くの方は休み時期に重ねての入院は困難な状況であることを始めにご理解ください。
これまで、夏、春、冬希望というざっくりした希望でお知らせいただいてきましたが、例えば夏希望の方、とすると夏だけで7080人の方から申し込みいただくことになってしまい、現実的にはこの方たちを組むのに5月から10月まで6か月間と長期に渡ってしまい、これは皆様にとっては非常に目途の立ちにくい状況になってしまいます。そこで、来年の手術申し込みの方からは、以下の4つの時期から選択して申し込みをいただけますようお願いいたします。

11-1月(冬)

2-4月(春)

5-7月(夏前半)

8-10月(夏後半)

これにより、少なくとも修学旅行など、どうしても休みたくない行事は回避することが可能となりますので、ご協力をお願いいたします。


2020年1月6日月曜日

明けましておめでとうございます

 ずっと更新してないと多くの方からご指摘をいただいておりますが、本当に忙しくて全くここまで気が回る余裕がありませんでした。時々こちらを覗いてくださる方には大変心苦しく、心よりお詫び申し上げます。ちなみに今年も元旦から臨時手術という波乱のスタートとなりました。

 昨年は、ついに小耳症の手術件数が200を超えました。我々の手術枠は火、木なので、単純計算しても1年に手術日は100日程度。うち祝日や学会等で実際に稼働する手術日は90あるかどうかです。私は小耳症の手術だけやっているわけではもちろんなく、その他口唇裂、口蓋裂、多指症、その他もろもろの手術も、北海道では私以外に相応のレベルで治療できる人が殆どいないので、この方たちもこちらに集中してきます。そう考えると、私自身が抱える手術数は300件前後になりますので、全手術日で3件以上やったとしても、もう手術を全部組むのがぎりぎりの状態なわけです。昨年は国内学会では木曜手術が終わって夜に向かったり、またエントリーしていたヨーロッパの学会も取りやめたりなどして何とかクリアしたのですが、これから夏の手術日程を組むにあたり、今年本当に全部組めるんだろうかと、戦々恐々としている状況です。

今年はさらに厳しい問題が二つ。
 今大学病院の新棟増設に伴う移転で(我々の病棟が新棟に移るわけではないのですが)、各病棟の改築も順次行われていき、それにより、現在全体として820床ほどの病院が700位まで縮小してしまう状態が何年か続きます。

 元々私だけが手術をしているわけでは当然なく、形成外科としては年間1300件くらい(火、木の手術日には形成外科で1日に1215件)の手術をしています。形成外科は20床なのですが、これまでは他の病棟等を借りて25床程度で回してなんとかやりくりしていました(看護師長が優先的に小耳症患者を形成外科病棟に入れてくれていたのです。その苦労は伝わらないと思いますが、実際に病床を管理するのは大変なんですよ。別の部屋に変えてくれと泣きついてくる方もしばしばいらっしゃいますが、あの病棟内においてもらうためだけにも相当の苦労をしているんですよね・・・)。
しかしこうなると他の病棟に進出することができなくなるので、週に組む手術数自体を制限せざるを得なくなるのです。これがもう来月から!今まで小耳症は4人ずつ入院で計画していたのを3にしないといけなくなります。これはもう手術予定を組むには致命的な状態なのがおわかりになるかと思います。

 もう一つはオリンピック!降ってわいた真夏のマラソン!それでなくとも観光地として混雑する時期にさらにこのような行事が来てしまっては、手術を組んでも、往復や宿泊の問題が相当シビアになるものと予想されます。

 とにかく今年は何とか全員の手術の予定を組んでご連絡をしていこうと思っていますが、これらの事情により、とても皆様の希望を優先して調整できるような状況にないことがご理解いただければと思います。