2016年10月27日木曜日

手術時期



しばしば手術に適した時期を聞かれますが、傷自体の経過はどのシーズンに行っても大差はないようです。ただ、退院後あまり暑い環境だと耳が蒸れたり日焼けしたりという心配がありますし、冬だと耳を冷やしすぎることが心配です。理想から言えば春や秋が適していると言えそうです。
しかし、やはり少しでも休みに重ねたいという希望も当然でしょう。そうなると夏、冬、春にどうしても集中します。軟骨移植後は2か月間体育等の運動禁止としていますので、どちらかというと活動性や行事の多さの点で、冬の方がお勧めです。しかし、交通事情や北海道の冬!という問題もあり、遠方の方はなかなか冬に手術に来るのは勇気が必要という感じでしょうか。夏休みの方が長いこともあり、例年夏の方が希望者が多く、かつ遠方の方に多い、冬はどちらかというと北海道の方の比率が高くなります。
手術の時期を決めるにも、その他両親の仕事の問題や兄弟の受験など、多くの要素が関係してきますので、なかなか難しいところがありますよね。
ただ、とにかく当院の手術希望者数があまりにも増加してしまい、もう私の方で希望を聞いて調整できるレベルにない、という現状があります。昨年は軟骨移植だけで75件、耳起こしを含めると140件の小耳症手術がありました。軟骨移植に関しては、1日に直列で2件なんてのは集中力の点でできません。そうすると当院では形成外科は火、木の週2日が手術日なので、週に2件。1か月だと89件。75件こなすためには89か月は必要という計算になります。さらに私自身も学会等で手術が組めない日もありますし、結局ほぼ年中やれる日にやらないと全員の手術ができないことになります。ほとんどの方は休みに重ねてこなせる状況にはないことを理解いただけるかと思います。皆さん諸事情の中で大変とは思いますが、こちらの状況もご理解の上ご協力お願いいたします。
 
と前置きが長くなりましたが、いよいよ来週から冬の耳シリーズが始まります。今回はこれがまた冬としては非常に多くて、軟骨移植の方が20人、耳起こしの方が10人。11月~1月まで3か月びっちりと手術を組むことになりました。そして、現在春シリーズの調整を始めるところなのですが、2月、3月で組みますので、完全に冬春がドッキングしてしまいましたよ。
さて、この写真は今の札幌の風景。紅葉時期も終わりそうです。何といっても先週は雪が降りました、というか一時的ですが積もりましたからね。さすがに早すぎで私もびっくりでしたよ。
 
こちらの写真は修学旅行のお土産のキーホルダーとともに送っていただいた写真です。先日外来で一緒に撮った写真なのですが、今時のアプリはいろんなのがあるんですね~。ほのぼのしていてなかなかいい感じです!


2016年10月13日木曜日

今後入院する方たちへ


 私たちは、快適な入院生活が送れるようできる限りの配慮はしているつもりですが、入院中の様子を見ていると、時々入院を勘違いをしているのでは?というような言動があります。これから入院の方にお伝えしておきたいことを書きます。

1、病棟のこと、病室の希望のことについて

 まず最初に、当たり前のことですが、ここは小耳症の専門病院ではなく、大学病院として、形成外科全般の種々の疾患の治療をしている施設です。当然入院の方はみな同じ権利を持っていますし、小耳症だけ特別扱いはしていません。

 

 病棟は皮膚科(30床)と形成外科(20床)の混合病棟です。時期によっては形成外科の入院患者は30人くらいまで増床することがあります。そのオーバーした10人の方は、他の階の空いている病棟に入院して、処置の時に形成外科病棟に来ていただく、という形をとらざるを得ないのが現状です。それでも小耳症の子たちが別の病棟に行ったら心細いだろうと、小耳症の子が全員形成外科病棟に入れるよう、病棟師長が大人の入院患者さんにご理解をいただいて、他の病棟に移っていただき調整しているのです。

 

 そういった配慮にも関わらず、親御さんから「耳の子が同じ部屋にいないので部屋を変えてください」という苦情が来ます。そもそも病院は傷を治してトラブルなく退院させることが主たる目的ですから、病棟や病室に耳の子がいない、というものは趣旨が異なります。病室によっては耳の子たちが多くいる部屋もあれば、あまりいない部屋もできます。もちろん子供たちは、事情なんてお構いなしですから、自分だけ別の部屋だと文句を言ったりするのはやむをえないところもあるかもしれません。しかし、親御さんの立場としては、子供と一緒になって苦情を言いに来るのではなく、子供に事情を話して言い聞かせるのが筋ではないでしょうか。

 

 また他に多くの患者がいる病棟で、耳の子たち(または時々には母たち)が常識を超えて騒ぐのも病院としては問題ですし、実際苦情も多々来ています。耳の子たち、親御さんが多少なりとも快適に過ごせるようにと、カンファ室を開放したり、親の面会時間のオーバーにも目をつぶったりと、ひそかに優遇措置も行っているのですが、そこをはき違えて目に余る言動が多くなると、そういう措置も続けられなくなる可能性がありますのでご注意ください。

 

2、手術の時期について

 一人で寝たことがないから入院中に寝られない、という相談が時々あります。小学5年生以降で手術のGoサインを出してはいますが、気持ちの発達が小学5年以下であればそれは適応外です。残念ながらそこまでは私の方では判断できませんので、心身ともに手術できる時期になってから手術を申し込んでいただければと思います。

 

3、入院の日程について

 基本初診順で日程を決めているわけですが、そのほかにもベッドの調整で男女比を考えたり、手術時間や合併症の問題、さらに私が学会や出張等で不在日が生じる問題や、他の手術に体力を取られる心配がない、など非常に多くのファクターを検討したうえで日程調整をしています。

 

 全員の耳を最高の状態で治すという目標のために行っているもので、私が一番最初に組んだものが全員にとってベストの日程です。もちろんどうしても都合が付かない、という諸事情はあるでしょうから、それは微調整していますが、単純に手術の日を変える、というような簡単な話ではなく、手術開始時間が遅くなったり、処置に時間が割けなくなったり等々、不利益が多々生じる可能性があることも感じ取っていただきたいものです。

 

2016年10月12日水曜日

帰国その後


帰国後怒涛のような仕事の嵐で一息つける暇がなかったです・・・ロスはもう遠い昔の出来事になってしまいましたし、特に大きなハプニングもなかったので、もうブログに書く気力がなくなってしまいました。一応写真だけ掲載しておきます。ただ一点、ロスに行くとブログに書いているにもかかわらず、新患予約やらその他の問い合わせもそれなりに来ていて、う~ん、あんまりこれ読んでくれてないんだな~と少し気落ちしました。ホテルでネットがつながりにくくて返事に苦労しましたよ。


先日の土曜日に当科主催の北海道の形成外科地方会があったので、それが終わってやっとちょっと一息ついた感じです。今回の地方会にはやはり先天性の疾患に力を入れている仙台医療センターの鳥谷部先生に講演をお願いしました。彼は手の外科で有名な先生で、今回その話をしていただくためにお呼びしたのですが、彼は耳の治療にも力を入れている先生で、今回地方会の直前に小耳症の手術があることを伝えたところ、手術を見学に来たいと、即座に日程を前倒ししてお越しになりました。おかげで色々な話ができて非常に有意義でした。彼は以前から学会では的確にずばっと切り込んだ発言をする方なのですが、一方でお洒落度も半端じゃないんですよね。そのこだわりが仕事にもつながっているんでしょうね。俺も少しお洒落しようかな~!ってこの髪型で何ができるって感じですけど。

これは学会場のコンベンションセンター
規模が半端なかったです

お馴染みの景色ですよね
これを撮らないとハリウッドに来た気になりません
でも実際にはハリウッドからは結構遠かったです



ハリウッドの街並み
メトロですぐ行けます
お土産物屋やBarがメインの通りです

スーパーで売っていたハムです
こんなのばっかです!規模が違います!
ちなみにアホな顔をしているのが同行した山下先生です
こう見えても彼は英語ペラペラです