私たちは、快適な入院生活が送れるようできる限りの配慮はしているつもりですが、入院中の様子を見ていると、時々入院を勘違いをしているのでは?というような言動があります。これから入院の方にお伝えしておきたいことを書きます。
1、病棟のこと、病室の希望のことについて
1、病棟のこと、病室の希望のことについて
まず最初に、当たり前のことですが、ここは小耳症の専門病院ではなく、大学病院として、形成外科全般の種々の疾患の治療をしている施設です。当然入院の方はみな同じ権利を持っていますし、小耳症だけ特別扱いはしていません。
病棟は皮膚科(30床)と形成外科(20床)の混合病棟です。時期によっては形成外科の入院患者は30人くらいまで増床することがあります。そのオーバーした10人の方は、他の階の空いている病棟に入院して、処置の時に形成外科病棟に来ていただく、という形をとらざるを得ないのが現状です。それでも小耳症の子たちが別の病棟に行ったら心細いだろうと、小耳症の子が全員形成外科病棟に入れるよう、病棟師長が大人の入院患者さんにご理解をいただいて、他の病棟に移っていただき調整しているのです。
そういった配慮にも関わらず、親御さんから「耳の子が同じ部屋にいないので部屋を変えてください」という苦情が来ます。そもそも病院は傷を治してトラブルなく退院させることが主たる目的ですから、病棟や病室に耳の子がいない、というものは趣旨が異なります。病室によっては耳の子たちが多くいる部屋もあれば、あまりいない部屋もできます。もちろん子供たちは、事情なんてお構いなしですから、自分だけ別の部屋だと文句を言ったりするのはやむをえないところもあるかもしれません。しかし、親御さんの立場としては、子供と一緒になって苦情を言いに来るのではなく、子供に事情を話して言い聞かせるのが筋ではないでしょうか。
また他に多くの患者がいる病棟で、耳の子たち(または時々には母たち)が常識を超えて騒ぐのも病院としては問題ですし、実際苦情も多々来ています。耳の子たち、親御さんが多少なりとも快適に過ごせるようにと、カンファ室を開放したり、親の面会時間のオーバーにも目をつぶったりと、ひそかに優遇措置も行っているのですが、そこをはき違えて目に余る言動が多くなると、そういう措置も続けられなくなる可能性がありますのでご注意ください。
2、手術の時期について
一人で寝たことがないから入院中に寝られない、という相談が時々あります。小学5年生以降で手術のGoサインを出してはいますが、気持ちの発達が小学5年以下であればそれは適応外です。残念ながらそこまでは私の方では判断できませんので、心身ともに手術できる時期になってから手術を申し込んでいただければと思います。
3、入院の日程について
基本初診順で日程を決めているわけですが、そのほかにもベッドの調整で男女比を考えたり、手術時間や合併症の問題、さらに私が学会や出張等で不在日が生じる問題や、他の手術に体力を取られる心配がない、など非常に多くのファクターを検討したうえで日程調整をしています。
全員の耳を最高の状態で治すという目標のために行っているもので、私が一番最初に組んだものが全員にとってベストの日程です。もちろんどうしても都合が付かない、という諸事情はあるでしょうから、それは微調整していますが、単純に手術の日を変える、というような簡単な話ではなく、手術開始時間が遅くなったり、処置に時間が割けなくなったり等々、不利益が多々生じる可能性があることも感じ取っていただきたいものです。
手術予定者を記入する先生の手帳に子供の名前を加えて頂いた時に
返信削除「この日程を組むのが、また大変なんですよ~」と先生がおっしゃったのを聞いて、
手術だけでも重労働なのに、他にも大変な事諸々あるんだなとは思ってましたが、
長い入院生活ともなると...色々あるのですね。
病棟は違いますが、母が札医大で何度か手術・入院でお世話になっており、
その時に、面会時間を守らない人の事をこぼしていたのを思い出しました。
大声を出したりするわけではなくても、術後や、抗がん剤治療で体調が悪いと
普段気にならないような、スリッパの音や、カーテンの開閉する音でも
わずらわしく思うと。
面会時間は、患者の負担にならない事はもちろん、医師や看護師さんの処置の邪魔にならない
事、警備の事なども踏まえて決められているのだと思います。
諸事情あると思いますが、決められたルールを皆で守れば、より快適に
入院生活が送れるのではと思います。
元々入院自体ストレスなものなので、せめて入院生活が少しでも楽しいものになるといいなとは思っているんですけどね。子供達は元々健康体ですし、ふざけたい、遊びたい、のお年頃なのも当然です。でもそういう方は本来病院では例外ですからね。病院は体調が悪いから入院しているわけで。高齢者の方も多いですしね。私はいつも廊下を走っているのを見つけると怒ってますが、当たり前ですよ。耳がぶつかって悪くなっても困りますし…でももうそこは自己責任の年齢ですが…何より他の入院患者にぶつかって怪我をさせたらどうすんですか!高齢の方は簡単に転倒して頭を打ったり骨折など起こしますから、そうなったらもう立派な傷害事件ですよ。しかも走っているのを見てもお母さんたちが注意せずにこにこしているのを見るとかなり唖然とします。ルールの中で楽しむことも覚えてくれるといいですね。
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