2021年1月4日月曜日

くびにかけるくん

 

現在外出時のマスク装着が必須の状況ですが、小耳症の方では、マスクの装着が難しく苦労されている方が多いと思います。昨年、金沢の工芸品を作成する方や、長崎の縫製会社の方が、マスクを後頭部で止めれるよう工夫したものを開発したことが朝日新聞にも取り上げられました。また昨年末、神奈川のカラーフォーム工業さんの社長からご連絡をいただき、やはり後頭部でとめるタイプの商品を販売しており、患者さんに役立ててほしいとのことで、私宛に寄付くださいました。いただいた分はお困りの皆様にお配りしようと思います。

いみじくもコロナのおかげでマスクに注目が集まり、それがきっかけで“小耳症”という言葉が多少なりと活字としてメディアに載るという不思議な現象になりましたが、色々な形で、小耳症という疾患自体にももう少し認識が高まり、理解が少しでも得られる環境になるといいなと思っています。

 

ちなみに、昨年は5月に手術全キャンセルという厳しい事態になり、どうなることかと思いましたが、その後は手術を止めることなく乗り切ることが出来ました。結果、おととしの耳介手術件数210件に対し、昨年195件、と、そんなに大幅に落とすことなく済んだことは奇跡です。学会自体が延期、中止、またはWebになったので、例年であれば何度か学会出張のために穴を空けていた日程にも手術が組めた、というところも大きかったのですが、本年は、昨年の影響をあまり受けずに日程調整を進めることができております。

しかし、何よりも、手術予定の方達が、ほぼキャンセルなく皆さん頑張って入院されたことが大きかったと思います。当然ながらコロナに対する不安もあり、また付き添いの制限によりあまりご家族も介助などができない、滞在中もあまり外出できない、など、大いにストレスの多い中、私を信じて治療にお越しになった皆様には厚く感謝申し上げます。

今後もまだまだ制限が続き、さらに入院病床の減少により、我々も非常に苦しいやりくりを迫られている現状ですので、皆様には種々のご負担をおかけしますが、何とか希望者の方達全員に、立派な耳をプレゼントできるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いいたします。

           寄付いただいたくびにかけるくん、と、マスクがずれにくい、マスクにはるこちゃん

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