2023年12月22日金曜日

日本耳介再建学会報告

 

先月行った日本耳介再建学会の報告です。この前に報告した日本耳科学会は耳鼻科の学会で、この学会は私が毎年主催している形成外科医の学会です。今年は11/24,25に行ないました。学会HPに実際の内容の詳細が記載されていますので、そちらを見た方がよりわかるかとは思いますが。

 

初日はライブサージャリーで、小耳症の中では最も難しいタイプの一つの生え際の低い小耳症の手術を行いました。しかし、そもそも小耳症手術自体数多くやっている先生は少ないので、このタイプとなるとますます経験も少なく、見ても大変そうだなあ・・・というところで終わってしまったかもしれません。ちなみに耳会と言えばすっかり雪が恒例となってしまっているのですが、前日までは非常に穏やかないい気候だったのに、今年は初日ライブサージャリーを終えて会場に向かおうとしたらわさわさと雪が降っており、皆さん頭に雪帽子をかぶっての移動となってしまいました。幸い皆さん次の日も元気にお越しになったので(飲み過ぎで体調不良だった先生に関しては大目に見てあげるとして)良かったのですが。

 翌日の症例検討会も結構難しい症例の相談が多く、ちょっとコアな内容だったかもしれません。ただ、人参を使って肋軟骨フレームを作製する練習に関しては、年々レベルが上がってきていまして、耳のプロポーションも立体感も、かなり皆さんイメージが掴めているような印象でした。本会を継続して行ってきた甲斐があったと実感します。勿論軟骨と人参は違うのですが、小耳症の手術の中で特に難しいところが2点あり、一つは皮膚の剥離や利用の仕方、もう一つが肋軟骨フレームの作製です。後者において大事なのはいかにこのプロポーションと立体感のイメージを身に着けられるかどうかなのです。

先日紹介したように、ウクライナのオレクと台湾もアンリも駆けつけてくれて、なかなか国際色豊かな学会となりました。恒例のメンバーに加え、新しい参加者も増えたので、お互いにコミュニケーションをとるのにちょうど良い規模かなと思っています。学会代行会社等に依頼していない手作りの学会なので、あまり参加者が増えると厳しいんですよね。

 また来年も色々知恵を絞って大いに勉強して楽しんでいただけるような会を目指したいと思っております。

 今年の札幌は、一度どかっと降った雪は解けて、今のところ雪は少ないのですが、氷点下の気温が続いており、路面がスケート場のような状態になっています。札幌にお越しの方はしっかりした冬靴にして、歩く際も十分に注意をお願いします。こういう道路の歩き方にはこつがあるのですが、それでも傾斜が付いたところなどはいかんともしがたいことがあり、私も一冬に1,2度は転倒します。

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