この週は学会が立て続けにあり、本当は静岡からそのまま東京に移動した方が楽だったのですが、4日も術後の傷が見られない、というのは私にとって非常にストレスなので、一旦札幌に戻って病棟処置をしてからまた行くというハードなスケジュールになりました。学会自体は、幸いに私自身の発表がなかったので、専門医を継続するための点数を稼ぐためにひたすらプログラムに参加しておりました。
全日本出版の編集者の方ともお会いしたのですが、先日出した教科書の売れ行きは割といいですよとお聞きして少々ほっとしました。赤字を出すと出版社の方に申し訳ないので・・・。こういう専門書は何百冊か売れればまあ成功、という感じで、しかも形成外科医なんて一般の内科医などと比べ物にならない少ない医師数ですからね。本を書くと執筆料が!なんて思う方もいらっしゃるでしょうが、一般の書籍とは桁が違って雀の涙ですから、お互いにある程度稼ぎという点は度外視しているのが実情です。そして、今、耳の教科書の方も企画しているところで、今後の進め方についても意見交換をしてきました。まだまだ時間がかかりそうですが、目標としては2年後の発売を目指しております。
ちなみに東京に滞在する時は、飯田橋界隈に泊ることが多いのですが、その理由は、晩御飯を食べるのに、近くに神楽坂という非常に素敵な街があるからです。と言っても高級な店に入るわけではなく、居酒屋で、1人ビールを飲みながら読書する、というのが私にとってのささやかな癒しの時間なわけで。今回も予約を入れて坂の上の方にある居酒屋に行ったのですが、こんな感じで迎えてくれて、またここの揚げたてのから揚げが美味しいので、ささやかな幸せを感じてました。![]()
揚げたてのから揚げをつまみにビール片手で読書、私にとっては非常に贅沢な時間です
私の出張中の楽しみは朝の散歩で、飯田橋に泊った際は神田川沿いを早稲田の方まで行って戻るような大体1時間半コースを取ることが多いのですが、今回も学会前に薄暗い時刻に出発してたっぷりと散歩してきました。あんまり張り切って散歩すると、学会場で眠気に襲われるのでほどほどにしないと・・・ですね。
そして今回のもう一つの目的が、横浜の平川矯正歯科の平川先生にお会いすることでした。学会終了後に横浜に移動して、神奈川こども医療センター形成外科部長の小林先生、信州大教授の杠先生、平川先生と4人で食事をしながら色々な話をしました。ご存じの方も多いと思いますが、平川先生は、小耳症(鰓弓症候群)に伴う顎変形で生じる歯の矯正に関しては、国内では恐らく日本一治療数が多い先生だと思います。お聞きしたら私の患者だけでも50名いるそうです。平川先生とはこれまでご挨拶程度であまりゆっくり話をしたことがなかったのですが、実は私と同い年で、お互い学生時代はラグビー部だったこともあり、話も盛り上がりました。ただ、そんな診療経験の多い平川先生ですら、鰓弓症候群の治療は本当に難しく、また治療のガイドライン的なものがなく、手探りでやっている部分が多いそうです。何歳でどういう治療を始めるか、形成外科医とどう連携していくか、解決すべき多くの課題が山積していることを私も改めて実感しまして、なんとかしないといけないと思っています。
![]() |
| 小林先生、杠先生、平川先生、私 |
目まぐるしい1週間でしたが、仕事上の収穫が多々あり充実した週でもありました。

0 件のコメント:
コメントを投稿