コロナ禍の自粛が一段落し、国内からは、仙台医療センター、九州大、弘前大、琉球大、日本医大、山形大、千葉県こども病院など、多くの先生たちが手術の見学にお越しになりました。海外からも3名の方がお越しになりましたが、これがなかなかバラエティ豊かな先生たちだったので少々ご紹介したいと思います。
1)
ウズベキスタン アバズDr 今まで脳外科医だったのですが、日本で勉強後形成外科医になる、ということでお越しになっていました。イスラム教なので、礼拝の時間があったり、一緒に食事に行っても食べられる種類が限られているなど、少々こちらが困惑する場面がありました。また、ちょうどラマダンと言って断食期間にも当たっていたので、本人は慣れているとおっしゃっていましたが、厳しそうだな~という感じでした。帰国後早速小耳症の手術をして、その写真を送ってくるのですが、なかなか壮絶な耳が作られていて・・・患者が納得していないが何が悪いんだ?どうすればいいんだ?とちょいちょいメール連絡がありますが、そりゃそうですよ。形成外科医の中でもトップクラスの難しい手術ですから、昨日まで脳外科の医者だった人がいきなり小耳症の手術をしても結果が出るはずはないわけで。何が悪いと聞かれてもすべてとしか答えようがなく。まあウズベキスタンではこういうことも許されるのかな~という感じです。中東には●●スタンという国がいくつかあり、治安が悪そうな印象が強いのですが、ウズベキスタンは唯一治安が非常に良い国だそうです。旧ロシアだったため、ロシア語がメインで、彼は独学で英語を勉強して留学に来たそうで、その努力や熱意は素晴らしいと思います。
2) ウクライナ オレクDr ご存じ今戦争の真っ最中のウクライナからお越しになりました。戦争後遺症で耳の受傷も多いので、ということなのですが、彼に見せていただいた写真では、もうそういうレベルの外傷ではないので、小耳症の手術を見ても果たして役立つのかな??という疑問が。足が無くなったり、腕が無くなったり、腹に穴が開いていたり、というレベルの外傷だったので・・・彼はその後台湾でマイクロサージャリーのトレーニング中です。耳介再建学会についても後日ここで書きたいと思っていますが、週末に行なわれた本会にも台湾から駆けつけてくれました。やはり色々な施設に行っているのでコミュニケーション能力は非常に高く、良くジョークも言い、すぐに打ち解けていました。ただ、女性に対してはほぼナンパしている感があり、日本人にはまねできないな~と思います。で学会後はまた台湾に戻って行きました。非常にナイスガイでしたが、いったい彼はいつウクライナに帰るんだろう??ただ、帰ったら帰ったで心配で気になりそうです。
3) 台湾 アンリDr 女性の可愛らしいDrです。何年も前からこちらでの長期の手術見学を希望して連絡をいただいていたのですが、コロナ禍で来れずにおり、時々台湾のお菓子を送ってくれたりしてくれていました。今回は学会で日本に来るのを機会に短期で見学にお越しになりましたが、千歳―台北直行便があり、3時間半で来れるそうです。意外と台湾は近いですね。確かに地図で見ると西表島と台湾って天気が良ければ見える距離ですからね。かえって日本国内の方が乗り継ぎを考えると遠い方が多いかもしれません。直行便のある沖縄はまだしも、奄美大島や屋久島から手術にお越しになる方もいらっしゃるのは相当勇気がいることと思います。彼女も今回耳介再建学会に参加してくれましたが、ちょうど札幌は突然の吹雪になったので、大喜びしてました(北海道の人間にとっては全然嬉しくないですが)。これからも時々お越しになるかと思います。もっとも台湾なら私が行きたいくらいですけどね。
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