2025年11月27日木曜日

患者の会のご紹介

 


小耳症については情報収集に苦労される方も多いと思います。多くの方が参加されているのがラインサークルこみこみさんですが、今回はこちらの会のご連絡をいただいたので、ご紹介します。色々な人が色々な情報を出してくれると思うので、今後の方向性は勿論、些細な心配まで、医師に聞けないようなことも話せる場があることは非常に良いことだと思います。また、他にも同じ苦労をしている方がいることを知って励まされることも多々あろうかと思います。

 

話はちょっと変わりますが、実は、昔々、永田と四ッ柳とどちらで治療するか!で患者の親たちが論争をしていた時代がありました。みな自分が選択する方への賛同を得たい、という気持ちからかなり激しくやりあっていたようで、私のところで手術をする予定でいた方が永田シンパからさんざん叩かれた、悔しい~と連絡をいただいたなんてことも・・・でもそもそも主義主張が違いますので、どちらが自分の求めるものか、また医師との相性、など、自身で見極めて判断するしかないと思います。

また、我々から見ると、医学的に非常識で考え方がいっちゃってる医師、責任感がない医師、であっても、患者にはそういうところが見えないので、意外と好評だったりしていることもあり、かと言ってあえて我々がそれを否定するような話でもないですし。結局手術するかしないか、するならどこでするのか、はご自身の責任と判断で決めていただくしかないのです。


顎顔面外科学会2025 in 東京 2025/11/20,21

 
この週は学会が立て続けにあり、本当は静岡からそのまま東京に移動した方が楽だったのですが、4日も術後の傷が見られない、というのは私にとって非常にストレスなので、一旦札幌に戻って病棟処置をしてからまた行くというハードなスケジュールになりました。学会自体は、幸いに私自身の発表がなかったので、専門医を継続するための点数を稼ぐためにひたすらプログラムに参加しておりました。

全日本出版の編集者の方ともお会いしたのですが、先日出した教科書の売れ行きは割といいですよとお聞きして少々ほっとしました。赤字を出すと出版社の方に申し訳ないので・・・。こういう専門書は何百冊か売れればまあ成功、という感じで、しかも形成外科医なんて一般の内科医などと比べ物にならない少ない医師数ですからね。本を書くと執筆料が!なんて思う方もいらっしゃるでしょうが、一般の書籍とは桁が違って雀の涙ですから、お互いにある程度稼ぎという点は度外視しているのが実情です。そして、今、耳の教科書の方も企画しているところで、今後の進め方についても意見交換をしてきました。まだまだ時間がかかりそうですが、目標としては2年後の発売を目指しております。

 ちなみに東京に滞在する時は、飯田橋界隈に泊ることが多いのですが、その理由は、晩御飯を食べるのに、近くに神楽坂という非常に素敵な街があるからです。と言っても高級な店に入るわけではなく、居酒屋で、1人ビールを飲みながら読書する、というのが私にとってのささやかな癒しの時間なわけで。今回も予約を入れて坂の上の方にある居酒屋に行ったのですが、こんな感じで迎えてくれて、またここの揚げたてのから揚げが美味しいので、ささやかな幸せを感じてました。

揚げたてのから揚げをつまみにビール片手で読書、私にとっては非常に贅沢な時間です

 

私の出張中の楽しみは朝の散歩で、飯田橋に泊った際は神田川沿いを早稲田の方まで行って戻るような大体1時間半コースを取ることが多いのですが、今回も学会前に薄暗い時刻に出発してたっぷりと散歩してきました。あんまり張り切って散歩すると、学会場で眠気に襲われるのでほどほどにしないと・・・ですね。

 

早稲田の講堂 あまり縁はないですが

そして今回のもう一つの目的が、横浜の平川矯正歯科の平川先生にお会いすることでした。学会終了後に横浜に移動して、神奈川こども医療センター形成外科部長の小林先生、信州大教授の杠先生、平川先生と4人で食事をしながら色々な話をしました。ご存じの方も多いと思いますが、平川先生は、小耳症(鰓弓症候群)に伴う顎変形で生じる歯の矯正に関しては、国内では恐らく日本一治療数が多い先生だと思います。お聞きしたら私の患者だけでも50名いるそうです。平川先生とはこれまでご挨拶程度であまりゆっくり話をしたことがなかったのですが、実は私と同い年で、お互い学生時代はラグビー部だったこともあり、話も盛り上がりました。ただ、そんな診療経験の多い平川先生ですら、鰓弓症候群の治療は本当に難しく、また治療のガイドライン的なものがなく、手探りでやっている部分が多いそうです。何歳でどういう治療を始めるか、形成外科医とどう連携していくか、解決すべき多くの課題が山積していることを私も改めて実感しまして、なんとかしないといけないと思っています。

小林先生、杠先生、平川先生、私


目まぐるしい1週間でしたが、仕事上の収穫が多々あり充実した週でもありました。

2025年11月25日火曜日

Hearing2025 in 日本平 2025/11/18,19

 



信州大学の前耳鼻咽喉科教授の宇佐美先生主催で、ヒアリング という聴覚補助機器に関する耳鼻咽喉科の国際学会が、静岡の日本平で行われました。私は小耳症の耳介形成に関する30分の英語講演を依頼され、行って来ました。2,30人位の小さな学会だと思っていたので、富士山が見える立派なホテルに泊まれてラッキー~!という安易な気分で行ったのですが、行ってみたら欧米人中心に120130人が会場にいて、かなりびびりました。

 

殆ど欧米人なので英語が早くて頭が付いていきません

懇親会では女性の方々は着物姿に変身。慣れてないと長時間着るのはきついでしょうね


今回余裕がなく、原稿なしで英語講演をできるまでの準備ができなかったのですが、原稿読み上げだと、質問が来た時になかなか口から英語が出て来ない、というのが現実です。講演が終わった後の休憩時間に、欧米人が次々とやってきて色々と話やら質問やらされたのですが、理解できたのは3割程度で、必死にかつ適当に返事をした次第です。やはりしっかり会話ができないのはもどかしいことで、毎回英語の学会に出るたびに、英語できるようになりたい!と思うのですが、現実的にそこに時間を割く余裕がない、ということで、きっとまた次の国際学会が行われる際に、直前に必死で英会話の練習を始めることになるでしょう。今までずっとその繰り返しだったので・・・先週まで、アメリカに5年間在住中の女の子が入院していたのですが、私が自信をもっていたマクドナルドの発音が、何それ?と一蹴されて、すっかり自信を無くしております。

ホテルから見た富士山 壮大ですね~!

それでも日本平ホテルの素敵さは素晴らしく、ちょっと雲がかかってしまいましたが、バーンと見える富士山は格好よかったですよ。


2025年10月31日金曜日

NHK world取材ご協力ありがとうございました

 突然日本電波ニュース社の藤田さんから、番組出演の依頼があったのが4月初旬でした。

軟骨移植、耳介挙上の子の術前術後、入院中の子供たちの様子、退院後の耳っ子の活躍の様子、再生医療による手術、学生時代の様子、海外学会での講演の取材、海外患者の診察風景、その他多くの課題をいただき、取り急ぎ近場で手術する方に打診をしたり、社会人になった方に連絡をしたり、ということでバタバタと各方面にお願いをして、ようやく何とか間に合ったという感じです。取材に当たりご協力をいただいた方々には心よりお礼を申し上げます。また藤田さんも6月位から何度も札幌まで足を運び、韓国にも随行したり、さらに膨大な動画からの編集作業、かなり大変だったと思います。

私の場合、耳の患者にはもう名前くらいはある程度知られていると思いますので、患者を集めるための目的で番組に出演する必要は全くないのですが、番組に出ることで、小耳症が多少なりと世間に認知されるようになり、手術前の方達の励みになり、また何と言っても自分の先生が番組に出た!と言って子供たちが喜んでくれる様子を見ると、まあこれも仕事の一つかなあ、と思ってます。ただ、今回の内容は基本英語と日本語のちゃんぽんなので、観てていると何となく内容はわかると思いますが、それでも子供たちにはハードルが少々高いかもですけどね。

現在国内の方の手術で一杯一杯なのに、海外160か国で放映ということで、これから海外の方から受診希望が一杯来たらどうしよう~と少々不安ではあります・・・

2025年10月28日火曜日

弘前大学12/5外来予定

 

かなり間が空いてしまいましたが、本年12/5(金)に弘前大学で外来行います。

受付13:30-15:30です。弘前大の外来の方に電話予約ください。

基本的に弘前大学を受診したことがある再来患者のみが対象となります。

なお、私がこれまでお会いしたことがない新患の方は受け付けていませんが、小学3年生以上で、弘前大学形成外科の先生の診察歴がある方は受診希望があれば診察いたします。

2025年10月14日火曜日

付き添いの対応について(大学) 2025/10/14より

 

大学での付き添いに関し、本日付で、若干ですが緩和されましたので、以下をご一読の上、対応お願いいたします。主な変更点としては、ご家族が勉強の面倒を見る時間を1時間設けたことです。勿論義務ではなく、希望者がいれば、ということです。さすがに丸ごと遊び倒している状態を心配されているご家族もいらっしゃると思いますので、師長と相談して、このような時間を設定していただきました。また、時間制限はありますが、手術当日は、ご両親2名でお越しの方は、2名とも面会できるようになりました。

一方、スタバやコンビニで、こっそり会っている方がしばしば目撃されています。面会時間の設定は、意地悪をしているわけではなく、当然ご理解はされていると思いますが、外部で生活されている方は、種々の菌を持ち込む可能性があり、患者と接する時間には制限が必要です。一旦病棟内にインフルエンザ、コロナ等が入り込むと、本人は勿論病棟内の全員が迷惑をすることになります。へたすると病棟閉鎖、入院受け入れの中断、という事態を引き起こし、さらに多くの方に迷惑をかけることになります。問題なく傷を治して帰る、ということを唯一最大の目的としてお越しになっているわけですから、自分だけ、ちょっとだけ、という意識は捨ててください。

可能な範囲で緩和はしましたが、問題が起こればまた厳しくせざるを得なくなりますので、ご協力の程お願いいたします。12月までの手術予定の方には入院案内をすでに送っておりますが、変更でお願いいたします。中央病院に関しては、現状と変わりません。


小耳症の患者さんの面会について

 

当院の面会は、現在、予約制(1316時の間で30分以内、所定の場所)で実施しています。面会のご希望がある場合は、看護師にお申し出ください。小耳症の患者さんの面会に関しては、小児ということ、勉学も必要なことを踏まえて、面会のルールを一部緩和しております。そのため、以下をご一読いただき、ご理解、ご協力をお願いします。

 

【基本事項】 

手指消毒を行い、マスクを着用しての面会をお願いします。また、お子さんもマスクの着用をお願いします。

(お互いがマスクを着用して会話をしても、新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者にあたりません。感染症発生時には、手術や入院の中止、他患者への影響も考えられますので、十分ご注意ください。)

*入院中必要な分のマスクは準備していただき、入院をお願いいたします。(病院の売店でも購入可能です)

・小学生以下のお子さんを連れて来なければならない場合にもその旨を看護師にお申し出ください

・デイルーム、処置室前でのご家族同士の会話はお控えください。

・正面玄関、スターバックス、コンビニ、イートインコーナー等での面会は禁止しています。指定時間、指定場所以外での面会はしませんようご協力をお願いします。

・面会時は問診票の記載が必要となります。入院時にお渡しする問診票に記載し、面会の度に持参し、看護師にお渡しください。

・面会時間外に、お荷物等のお渡しがある場合は、看護師にお声かけください。

 

【入院日】 ★マスク着用をお願いします★ 

・入院日より遡って5日以内に、患者さん・同居家族が、発熱や上気道炎症状、および味覚嗅覚障害のような新型コロナウイルス感染症を想起するような諸症状がある場合、また、そのような症状の方と8日以内に濃厚接触した場合は、来院せずに、下記にご連絡ください。

・入院当日の朝、必ず体温測定をお願いします。体温37度以上の発熱の場合は来院せずに下記にご連絡ください。

1階入退院受付で手続きを行い、病棟にお越しください。

・ご家族は、荷物搬入等で短時間病室内に入ることができます。時間内に荷物整理をお願いします。その後は、デイルームでお待ちください。

・今後の予定(手術の説明等)に関しては、医師や看護師にご確認ください。待機を要する場合は、病室ではなく、デイルームでお願いします。

 

連絡先:札幌医科大学附属病院  📞 0116112111 【南7階病棟】までご連絡ください。


【手術当日】 ★マスク着用をお願いします★          

・手術予定時間の2時間程度前からご来院することが可能です。(朝一番の手術時は8時頃にご来院ください)

・手術前は、病室内で待機可能ですが、同室者がいる場合は、カーテン内でお過ごしください。

・手術中は、必ず連絡が取れるようにして近隣で待機いただき、手術終了が予想される時間になったらデイルームにお越しください。

・手術後は、帰室後3時間まで病室への入室が可能です。2名で面会を希望する際は、2名同時に病室に入室してかまいませんが、1名は3時間、1名は30分以内でお願いします。

・小耳症のプチ手術の場合は、上記に該当しませんので、ご了承ください。

 

【手術翌日―手術後3日目まで】  ★マスク着用をお願いします★    

・手術後の面会については、手術日を0日として計算します。

・面会時間は、1316時の間で2時間以内です。

・ただし、耳処置がある場合(処置室前のホワイトボードに処置時間が記載しています)は、処置に合わせてお越しいただき、処置の時間も含めての面会でお願いします。面会時間は病室のカーテン内で2時間可能ですが、2名での面会を希望する際はもう1名は30分以内でお願いします。

 

【手術後4日目以降】  ★マスク着用をお願いします★  

・処置室前のホワイトボードに処置時間が記載されている場合は、処置室での立ち会いが可能です。

・耳処置の時間は、処置室前のホワイトボードに記載しておりますので、各自ご確認ください。

・耳処置で来院した際は、デイルームで待機し、順番に呼ばれますので、お待ちください。

・処置室での立ち会いがない日の面会を希望する際は、1316時の間で予約をお取りください。

・耳処置の時間にこられない日の面会を希望する際は、1316時の間で予約をお取りください。

・面会は、11回(処置に立ち会う場合は、処置後から)30分までとしてください。

(処置の立ち会いと面会は、2人まで可能です。)

 

 

【勉強の付き添い】  ★マスク着用をお願いします★  *希望者のみです   

・入院中勉強の見守りを目的とした場合は保護者の方、1名が111時間の付き添いが可能となります。

(別時間で30分の面会も可能です)

◆約束事◆

・付き添い中は保護者の方、お子さんどちらも必ずマスクを着用してください。飲食も禁止です。

・勉強が目的のため、不必要な会話や遊ぶなどの様子があった場合にはその後の勉強のための面会は禁止とします。

・勉強場所は別室となり、席数が限られるので10時~12時、13時~17時の間で予約制となります。

予約は付き添い希望当日にとってください。勉強場所にホワイトボードを掲示しておりますので、ご希望の時間帯にお名前を記載してください。勉強終了時には予約した名前を消してください。

*予約状況によってはご希望の時間でのご案内ができないこともありますので、ご了承ください。

・別室が、医師の説明等で使用される場合は、自室での学習をしていただきます。

・問診票は、1日1枚とし、面会時間のところに、面会と学習見守り時間の記載をして、看護師へお渡しください。

【その他】                                                                             

・来院当日は、必ず毎朝体温測定をお願いします。

・病棟内に入る際には問診票の確認と検温をしますので、必ずナースステーションにお声がけください。

・看護室窓口で入院時にお渡しする問診票の提出をお願いします。問診票は面会毎に記載し、ご持参をお願いいたします。

・判断に迷う場合には、看護師にご相談ください。

・面会に関する情報が変わる際は、四ッ柳医師のブログで随時報告いたしますので、確認をお願いします。

 

例)

入院日

入院翌日~手術前日

手術日

手術1日目

手術2日目

手術3日目

手術4日目

荷物整理

病室に短時間入れる

 

レントゲン

心電図

採血

採尿

 

 

デイルームで30分面会、また勉強目的に1時間付き添いOK

 

 

手術の終了時間が、面会時間(1316時)を過ぎていた場合は、最大21時までとなります。例えば17時に帰室した場合は、20時までの面会となります。

 

 


手術後

病室で

3時間面会OK

耳処置の立ち合いがある場合:

処置時間を含めて病室で2時間OK

・耳処置の立ち合い無い場合:

13時~16時の間、病室で2時間OK

 

 

 

・耳処置の立ち合いがある場合:

処置時間含めてデイルームで30OK

・耳処置の立ち合いが無い場合:

 デイルームで13時~16時の間で30OK

・勉強の付き添い:

別室で10時~12時、13時~16時の間で1時間OK

 

麻酔科、耳鼻科受診

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2025年7月19日土曜日

シンポジウムの様子

 実際の講演時の風景、写真を送っていただいたのですが、なかなか見る機会がないと思うので、追加で写真載せます。



講演をしているところ
招待者講演が終了後の合同質疑応答
休憩時間に質問攻めにあって四苦八苦しているところ
表彰後に記念撮影

どうでしょう?臨場感伝わりますでしょうか?余裕で笑顔で話していたつもりですが、こうやってみるとめっちゃ顔がこわばっているのがわかってしまいます。