2016年12月28日水曜日

冬シリーズ前半戦終了!


 みなさんクリスマスはのんびり過ごせたでしょうか?北海道はニュースでもご存知と思いますが大雪でパニックでした。雪に慣れていると言ってもここまで降られるといかんともしがたいですよ。外来受診の後に足止めを食らった方もいたようですし、退院された方の中にも(兵庫の方ですが)、2日足止めされてようやく取れたのが福岡便、という方もいらっしゃったようです。写真で見ると、おー素敵なホワイトクリスマス!と思うかもしれませんが、決してそんな楽しいものではありませんよ。恒例の病棟のクリスマスイベントは、病棟にインフルエンザの方が出たりしたこともあり、病棟内を回って歩くのは自粛してカンファレンスルームでやったので、若干盛り上がりにかけた感がありました。
医大の雪景色

歩くところがあまりないです


 

 とにかく冬シリーズの前半戦が終了したわけですが、まあいろいろなハプニングがありました。良かったことと言えば、実は感染で昨年耳が全部だめになった子がいたのですが、今回軟骨移植で無事勝利しました(と言っても退院後軟骨が露出したかも、ということで慌てて再入院・・・幸い軟骨は出ておらず、傷も治って今度こそ大丈夫と思いますが)、一方で、ノロ感染(これも伝染せずに済んで良かった~!)、術後の肺炎、なぜかお腹の皮膚採取部の傷が治らない、耳起こし後にもしや耳下腺炎??などなど、などなど一筋縄ではいかないことが続いて大苦戦でした。いずれも耳には大きな影響のない出来事ではあったので、何とか今年も乗り切れそうです。


左のトナカイは医大に合格した例の小耳症の彼です
右の悪トナカイは今年1年耳の処置に良く付いてくれた大沼先生


 

 さて、今日は一応病院の御用納めとなりましたが、仕事納めの今日も外来でしたし、なんと仕事始めの1/4も外来からスタートという全然有り難くないパターンです。来年は1/5が手術初めで、1月もがんがんお耳の手術の方が入院してきますので、休む暇ないですね~。おまけにここに来て論文の執筆依頼が続けさまに飛び込んできて、自分の書きたい論文もなかなかはかどらない状態です。とにかくやたら早く冬が始まったので、早く終わって欲しいものです。

2016年12月14日水曜日

術後の受診について


術後の診察について、大体各手術の退院後に、それぞれ1, 2回の受診をお願いしています。それと同時にその後の長期での受診についてのお願いもしてはいるのですが、経過で特に気になることがないと遠方でもあり、ついつい億劫、または忘れがちになっている方たちもいらっしゃるようなので・・・ご自身の耳ですから、あくまで自己責任ですし、私から連絡して受診を勧めるようなことはしませんが、可能な範囲でお願いできればと思います。

 

小学6年生までに2回の手術を終えた方たちの場合、中学1年、中学2年、高校1年、大学1年、それ以降で一度最終の受診、という感じで5回位経過を診せていただけるのがベストです。

 

理由としては、形成した耳介にはワイヤーが入っていますので、時間の経過とともに、皮膚が薄くなったり軟骨が多少痩せたりすることにより、ワイヤー露出の可能性があります。上記くらいの間隔で定期的に受診いただければ、耳介のメインテナンス、および予防的に露出しそうなワイヤーがあるようであれば、その抜去(外来で短時間で簡単にできます)をすることで、その後のリスクの予防が行えます。また、長期での耳の変化を確認させていただき、フィードバックさせていただくことは、何より今後の治療の向上のためにも重要なことなので、問題ないと思っても(実際問題がなければ診察はすぐ終わってしまうのですが)、そうおっしゃらずにお越しいただけますよう・・・


奈良の学会の様子
左から向かって私、パク先生、知らない女性、今井学会長

先週の大雪のあとの私の車
一夜にして60cm近い積雪でした


2016年12月7日水曜日

適切な手術年齢について


手術をするにあたり、現時点で下限を小学5年以上としていますが、体格の明確な基準は設けていません。受診された方々には説明をしていますが、手術時期に関しては少なくとも肋軟骨移植を行う限りは早いよりは遅い方が、絶対に本人にとっても耳にとっても有利です。理想的には中学~高校生です。理由は簡潔に言うと、小学生のうちはまだ未熟な軟骨が多く、未熟な軟骨で耳を作っても形が崩れたり吸収されたりしやすいということ、体が小さいと胸郭への負担が大きく、胸郭の変形が大きく生じることなどです。

一応目安としては身長135cm以上、および30kg以上と考えるとよいかと思います。学校の問題を考えるとなかなか中学生で、というわけにもいかないのは承知していますので、その基準に達していなくとも希望があれば手術はできますが、それらのリスクも理解したうえで手術の年齢を検討いただければと思います。特にクラスで身長順に並ぶと前の方、という方は5年生に固執せずに、6年生で検討するのが賢明と思います。


 

さて、先週末はアジア国際顎顔面外科学会という学会が大阪市立医療センター今井先生会長の元開催され、行ってまいりました。自身で耳の発表をしたほか、友人の韓国のパク先生が今回は特別講演でお越しになり、その座長をさせていただいたわけです。もちろん国際学会だからすべて英語ですよ。私にとってはかなりの苦行で、特にパーティにも出ないといけないわけですが、海外の色々な方から声をかけられては、たどたどしい英語で返事をするというつらい時間でした。国際学会に出るたびに、思いを表現できないもどかしさでいっぱいになり、明日から本気で英語やろう!と思っては挫け、の繰り返しを毎年凝りもせずやっております。

会場は奈良で、私は初めて奈良に宿泊しました。以前も奈良で学会はあったのですが、その時は奈良の宿がいっぱいでやむを得ず大阪に泊まったという経緯があったので、今回はしっかり早めに予約をして宿を押さえたわけです。奈良は有名な観光地ではあるものの、日帰り観光の方が多く、思いのほか宿泊施設が少ないんですよね。で、奈良の夜は結構寂しかったです。日が暮れると人通りもまばらで、ぶらっと一人で気軽に入れるような居酒屋を探すのもなかなか大変で、奈良はいい街ではあるのですが、晩御飯付きの旅館に泊まるのでなければ、宿泊には不向きな街かもしれません。

それでも私が楽しみにしていたのは、久しぶりの大仏様にお会いすることと、高速餅つきで有名なお餅屋の餅を食べること。大仏様はやはり大きいだけでなく、綺麗なお顔立ちでしたね。餅も高速餅つきの現場は見れなかったものの、あそこのお餅は美味しかったですよ。餡入りヨモギ餅onlyというのがちょっと残念で、餡のないシンプルなやつとかも出して欲しいなとは思いますが、学会場と宿の間にちょうどお店があるので結局3回も食べてしまいました。

奈良と言えばやはり大仏様

学会場は駅に直結した奈良100年会館


たそがれの猿沢池と興福寺五重塔


紅葉にはちょっとすでに遅かったのがやや残念

2016年11月30日水曜日

週末の巡業


先週の金曜日は弘前大学で学生講義がありました。これは弘前大学の医学部4年生への耳の講義ですが、90分耳オンリーの内容の講義なので、飽きさせないようネタを随所に入れるのがなかなか大変なんですよね。土曜日は同じく弘前で札弘形成外科研究会という学会。これは札幌医大と弘前大の合同の症例検討会で、治療に苦労した症例、困って相談したい症例、反省症例など通常の学会では出さないような演題をお互いに報告し、お互いに言いたいことをいうフランクな学会です。そして翌日は函館に移動し、日曜は父の一回忌。もうあれから一年かあ・・・という感じです。おかげでずいぶん久しく顔を見ていなかったいとこなどとも会えたりして、これも父のおかげかなと感慨もひとしおでした。そして月曜には函館五稜郭病院で診察をして、札幌に戻ってきました。弘前と函館のスケジュールを全部そこに集めて何とかこなしてという巡業でしたが、凄いハードスケジュールでした。


で、帰ってきてからは必死に処置に手術に雑用にと走り回り、さらにまたこの週末も学会です。学会は座長も発表もあるのですが(しかも英語で!)、そっちの準備が全く終わってないです。綱渡りの日々はいつまで続くんだろう・・・


札弘形成外科研究会に出席したメンバー
2大学集まるとなかなか賑やかです
私の隣の黒いジャケットが弘大の教授です

2016年11月14日月曜日

今度は東京行ってました




先週は東京で顎顔面外科学会という学会がありました。もう耳シリーズが本格的になっているのでとんぼ帰りの状況でしたが、北海道の厳しい寒さからつかの間の脱出ができたので、時間の隙間を縫って散歩してきましたよ。

天気が良いと富士山が見えるんですね~


 

毎回東京ではどこに泊まるか悩んでいるのですが、どうもしっくり来るところがなくて転々と拠点を変えています。今まで新橋、新宿、渋谷、浜松町、飯田橋という感じでホテルを変えているのですが、一番気に入っているのは飯田橋かな~。夜に居酒屋を求めて神楽坂界隈をぶらぶらするのはちょっと楽しいですし、神田川沿いに早稲田方面に散歩するのはそれなりに風情があります。今回は移動の便利さを考えて品川にしたのですが、あんまり散歩向きの地区ではないですね。駅の周辺はずいぶん昔と違って整備されていて新鮮でしたが。



品川駅夜景
品川駅前のカフェでモーニング
他の客が連れてきた犬が妙に可愛い




ゆりかもめの先頭に乗ると、こんな景色が見れます



東京は結局どこに行っても人が多くて疲れる!また、どうも距離と時間の間隔が狂います。地方から来た人は、駅に着いてからホームまでどれだけ移動すればいいんだ?って思いますよね。通常駅構内の時間は0で計算しちゃいますからね・・・私の意見はちょっと東京に好意的ではない??だって過去に東京で散歩中に2回職質されたし~・・・

 
どうしても写真は学会風景を出しても面白くないのでこういう景色ばかりになってしまうのですが、遊びに行っているわけではありませんよ。ちゃんとうちの先生の耳の発表のサポートと耳のセッションの座長をやってきました。
さて、これから本格的に春シリーズの調整に入らねば・・・



2016年11月7日月曜日

またまた香川へ


先週23日でまたまた香川に行ってました~!2か月ぶりに、札幌に研修に来ていた濱本先生とも再開。今回は仕事の方がなかなか忙しくて殆どフリーな時間は作れなかったものの、隙間を見つけてうどんは食べてきましたよ。初日はうぶしなと言って、神社の境内にあるうどん屋さん。神主さんが作っているという変わり種で、宮うどんと言って揚げ餅入りのを食べたのですが、餅好きとしてはたまらなかったです。

 

そこは坂出市にも近かったので瀬戸大橋もちょっと見てきました。

 

 

最終日は飛行機の時間前に一軒だけでも寄って行こうと思い立ち、有名な谷川米穀店へ。これが秘境と言われるだけあって四国らしいのどかな農家が点在する街道を抜けて行くのですが、もう堪らない景色でした。季節的に日中で20度くらいのちょうどいい気候だったのも確かですが、あ~ここ住みたい!という感じで帰りたくなくなりましたよ。まあ夏に来たらそう思わなかったかもしれないのですが、とにかく香川の田舎はこれ以上ない位の日本の原風景で、いつか医者やめたらのんびり畑仕事をして自給自足したい(この前捕まった元女優もそんなことしてましたが・・・)といつも夢見ている立場としては、香川に行くたびに心がぐらついてしまうのです。


しかし、道中の風景に感動しながら到着したら、なんと臨時休業。他にも大勢来ていましたが皆さん心残りな顔で帰ってました。そりゃわざわざあんな秘境まで行って閉まってたらがっくりですよね。それでもめげずに近くの別のうどん屋に移動。これが三嶋製麺所と言って、かなり良かったですよ。



 

ともかくも、北海道に帰ってきたら、あたり一面真っ白の世界・・・このギャップが切ないですよね。

さすがにちょっと積雪には早すぎなので、また少しすると雪も一旦落ち着くかとは思うのですが、受診を予定していた方で、これから天候の悪化でお越しになれない、という状況も起こりえます。その場合、また1年先に予約を取り直し、なんてわけにはいかないので、随時時間を捻出して変更させていただきます。ご安心ください。

2016年10月27日木曜日

手術時期



しばしば手術に適した時期を聞かれますが、傷自体の経過はどのシーズンに行っても大差はないようです。ただ、退院後あまり暑い環境だと耳が蒸れたり日焼けしたりという心配がありますし、冬だと耳を冷やしすぎることが心配です。理想から言えば春や秋が適していると言えそうです。
しかし、やはり少しでも休みに重ねたいという希望も当然でしょう。そうなると夏、冬、春にどうしても集中します。軟骨移植後は2か月間体育等の運動禁止としていますので、どちらかというと活動性や行事の多さの点で、冬の方がお勧めです。しかし、交通事情や北海道の冬!という問題もあり、遠方の方はなかなか冬に手術に来るのは勇気が必要という感じでしょうか。夏休みの方が長いこともあり、例年夏の方が希望者が多く、かつ遠方の方に多い、冬はどちらかというと北海道の方の比率が高くなります。
手術の時期を決めるにも、その他両親の仕事の問題や兄弟の受験など、多くの要素が関係してきますので、なかなか難しいところがありますよね。
ただ、とにかく当院の手術希望者数があまりにも増加してしまい、もう私の方で希望を聞いて調整できるレベルにない、という現状があります。昨年は軟骨移植だけで75件、耳起こしを含めると140件の小耳症手術がありました。軟骨移植に関しては、1日に直列で2件なんてのは集中力の点でできません。そうすると当院では形成外科は火、木の週2日が手術日なので、週に2件。1か月だと89件。75件こなすためには89か月は必要という計算になります。さらに私自身も学会等で手術が組めない日もありますし、結局ほぼ年中やれる日にやらないと全員の手術ができないことになります。ほとんどの方は休みに重ねてこなせる状況にはないことを理解いただけるかと思います。皆さん諸事情の中で大変とは思いますが、こちらの状況もご理解の上ご協力お願いいたします。
 
と前置きが長くなりましたが、いよいよ来週から冬の耳シリーズが始まります。今回はこれがまた冬としては非常に多くて、軟骨移植の方が20人、耳起こしの方が10人。11月~1月まで3か月びっちりと手術を組むことになりました。そして、現在春シリーズの調整を始めるところなのですが、2月、3月で組みますので、完全に冬春がドッキングしてしまいましたよ。
さて、この写真は今の札幌の風景。紅葉時期も終わりそうです。何といっても先週は雪が降りました、というか一時的ですが積もりましたからね。さすがに早すぎで私もびっくりでしたよ。
 
こちらの写真は修学旅行のお土産のキーホルダーとともに送っていただいた写真です。先日外来で一緒に撮った写真なのですが、今時のアプリはいろんなのがあるんですね~。ほのぼのしていてなかなかいい感じです!


2016年10月13日木曜日

今後入院する方たちへ


 私たちは、快適な入院生活が送れるようできる限りの配慮はしているつもりですが、入院中の様子を見ていると、時々入院を勘違いをしているのでは?というような言動があります。これから入院の方にお伝えしておきたいことを書きます。

1、病棟のこと、病室の希望のことについて

 まず最初に、当たり前のことですが、ここは小耳症の専門病院ではなく、大学病院として、形成外科全般の種々の疾患の治療をしている施設です。当然入院の方はみな同じ権利を持っていますし、小耳症だけ特別扱いはしていません。

 

 病棟は皮膚科(30床)と形成外科(20床)の混合病棟です。時期によっては形成外科の入院患者は30人くらいまで増床することがあります。そのオーバーした10人の方は、他の階の空いている病棟に入院して、処置の時に形成外科病棟に来ていただく、という形をとらざるを得ないのが現状です。それでも小耳症の子たちが別の病棟に行ったら心細いだろうと、小耳症の子が全員形成外科病棟に入れるよう、病棟師長が大人の入院患者さんにご理解をいただいて、他の病棟に移っていただき調整しているのです。

 

 そういった配慮にも関わらず、親御さんから「耳の子が同じ部屋にいないので部屋を変えてください」という苦情が来ます。そもそも病院は傷を治してトラブルなく退院させることが主たる目的ですから、病棟や病室に耳の子がいない、というものは趣旨が異なります。病室によっては耳の子たちが多くいる部屋もあれば、あまりいない部屋もできます。もちろん子供たちは、事情なんてお構いなしですから、自分だけ別の部屋だと文句を言ったりするのはやむをえないところもあるかもしれません。しかし、親御さんの立場としては、子供と一緒になって苦情を言いに来るのではなく、子供に事情を話して言い聞かせるのが筋ではないでしょうか。

 

 また他に多くの患者がいる病棟で、耳の子たち(または時々には母たち)が常識を超えて騒ぐのも病院としては問題ですし、実際苦情も多々来ています。耳の子たち、親御さんが多少なりとも快適に過ごせるようにと、カンファ室を開放したり、親の面会時間のオーバーにも目をつぶったりと、ひそかに優遇措置も行っているのですが、そこをはき違えて目に余る言動が多くなると、そういう措置も続けられなくなる可能性がありますのでご注意ください。

 

2、手術の時期について

 一人で寝たことがないから入院中に寝られない、という相談が時々あります。小学5年生以降で手術のGoサインを出してはいますが、気持ちの発達が小学5年以下であればそれは適応外です。残念ながらそこまでは私の方では判断できませんので、心身ともに手術できる時期になってから手術を申し込んでいただければと思います。

 

3、入院の日程について

 基本初診順で日程を決めているわけですが、そのほかにもベッドの調整で男女比を考えたり、手術時間や合併症の問題、さらに私が学会や出張等で不在日が生じる問題や、他の手術に体力を取られる心配がない、など非常に多くのファクターを検討したうえで日程調整をしています。

 

 全員の耳を最高の状態で治すという目標のために行っているもので、私が一番最初に組んだものが全員にとってベストの日程です。もちろんどうしても都合が付かない、という諸事情はあるでしょうから、それは微調整していますが、単純に手術の日を変える、というような簡単な話ではなく、手術開始時間が遅くなったり、処置に時間が割けなくなったり等々、不利益が多々生じる可能性があることも感じ取っていただきたいものです。

 

2016年10月12日水曜日

帰国その後


帰国後怒涛のような仕事の嵐で一息つける暇がなかったです・・・ロスはもう遠い昔の出来事になってしまいましたし、特に大きなハプニングもなかったので、もうブログに書く気力がなくなってしまいました。一応写真だけ掲載しておきます。ただ一点、ロスに行くとブログに書いているにもかかわらず、新患予約やらその他の問い合わせもそれなりに来ていて、う~ん、あんまりこれ読んでくれてないんだな~と少し気落ちしました。ホテルでネットがつながりにくくて返事に苦労しましたよ。


先日の土曜日に当科主催の北海道の形成外科地方会があったので、それが終わってやっとちょっと一息ついた感じです。今回の地方会にはやはり先天性の疾患に力を入れている仙台医療センターの鳥谷部先生に講演をお願いしました。彼は手の外科で有名な先生で、今回その話をしていただくためにお呼びしたのですが、彼は耳の治療にも力を入れている先生で、今回地方会の直前に小耳症の手術があることを伝えたところ、手術を見学に来たいと、即座に日程を前倒ししてお越しになりました。おかげで色々な話ができて非常に有意義でした。彼は以前から学会では的確にずばっと切り込んだ発言をする方なのですが、一方でお洒落度も半端じゃないんですよね。そのこだわりが仕事にもつながっているんでしょうね。俺も少しお洒落しようかな~!ってこの髪型で何ができるって感じですけど。

これは学会場のコンベンションセンター
規模が半端なかったです

お馴染みの景色ですよね
これを撮らないとハリウッドに来た気になりません
でも実際にはハリウッドからは結構遠かったです



ハリウッドの街並み
メトロですぐ行けます
お土産物屋やBarがメインの通りです

スーパーで売っていたハムです
こんなのばっかです!規模が違います!
ちなみにアホな顔をしているのが同行した山下先生です
こう見えても彼は英語ペラペラです

2016年9月30日金曜日

帰国しました


無事9/28(水)夜にロスより帰国しました。早くにブログに載せたいとは思っていたのですが、1週間も留守にすると、その後書類やメールの返事などに忙殺され、とても時間が足りない状況が続いていまして・・・これは海外出張の後は毎度のことなので、海外に行くのが楽しみでもあり恐怖でもあるというのが正直なところなわけですが。しかも私は時差ぼけに弱く、さらに海外の食事はまず3日で嫌になってしまうので、まああまり海外出張仕様の体質ではないんですよね~。

今回も行ってから初めの2日間は時差ぼけで12時に一旦寝つくものの2時位には起きてしまい、あとは寝られない状態でしたし、帰ってからの方は若干楽だったのですが、それでも帰った日は全然寝た気がしない状態でした。今日になってやっと完全復活した次第です。食べ物も、肉→中華→肉→中華→シーフード、となったわけですが、肉のでかさと歯ごたえにあごは疲労するし、中華・・・と言ってもチャーハンを頼んだところ、こんなのが出てきて、どう見ても5人前くらいのボリュームでしたよ。この日は一人で食事をしたので1/3も食べられず力尽きました。



 

発表の方は、渡米前に3週間必死のヒアリングをしてから行った成果が・・・全く出ませんでした。アメリカ人は早すぎます。さすがに耳関係の演題は専門なので、スライドを見ながら単語単語を集中して聞き拾っていくと、そこそこは理解はできるものの、その他の演題は完全にお手上げ状態でしたし、街の会話も聞いたことがない言語と化してしました。まあ幸い発表自体はすんなり終わり、質問がなかったのであまり恥ずかしい思いもせずに終わったわけですが。
自分の発表が終わってこんな感じで机に座り、最後にまとめて質問タイムという形式でした。
私の後に発表していたのは自治医大の先生です。



もちろん隙間で多少観光もしたので、また時間があればその話もしようと思いますが、本日はここまでということで。

2016年9月20日火曜日

近大・山内先生


今回近大外来で私の助手をしていた先生・・・山けん先生ではなくて、あれ?と思った方がいるかもしれません。その代わりに付いていたのは山内先生という先生です。山内先生、今年の4月から近大で働いているのですが、実はそれまでずっと札幌医大で私と長いこと一緒に働いていた先生なのです(さらに言えば弘前時代から一緒です)。非常に優秀な先生でもうすっかりベテランの先生なのですが、家の事情で大阪に異動する必要があり、泣く泣く送り出したわけです。

 

彼は小耳症自体の執刀はしていないので、まだ未知数ではありますが(と言ってもさんざん私の助手はしてきましたが)、技術はしっかり持っていると思います。そしてその他の耳の疾患・・・例えば埋没耳、立ち耳、副耳、外傷による変形、その他諸々に関しては十分経験を積んでいます。もし身近で耳のことで困っている方がいたら、間違いなく彼はお勧めです。彼は患者第一の考え方で治療法を選択しますし、技術も確実なので信頼できます。

 

ちなみに、小耳症の術後の管理についても完璧なので、関西の方で、急な問題、例えば耳が腫れたとか、ワイヤーが出たとか、何かの折には彼のところに駆け込んでください。もっとも彼が外来に出ている日は限られているので、きちんと病院に問い合わせた上で受診ください。


さて、先日お伝えした通り、私は木曜からロスに行ってきます。英語ストレスで一杯です!





山内先生はこんな人です



近大外来無事終了


近大の外来つつがなく終わりました~!

今回はこれまでにないほどスムースに進みました。一つには皆さんが時間厳守できっちりお越しくださったこと、二つには傷のトラブルの処置等が殆どなかったこと、三つには秘書の菊地さんが完璧に連絡、手配を行ってくれたこと、に尽きます。皆様にはご協力ありがとうございました。外来看護師もあっけなく終わって拍子抜けという感じだったので、来年も外来使えると思います。そして私は同日の飛行機で札幌に戻り、無事入院患者の処置もすることができました。


昨年、去年と私は堺に泊まったのですが、朝の散歩で寺街を歩いたり、仁徳天皇陵などの古墳群を散歩することもできました。寺街としては、妙國寺というお寺があるのですが、ここは信長が移植を試みたというソテツの木、またはフランス人を殺傷した罪で土佐藩士11人が切腹したことなどが有名なのですが、実は本能寺の変の時に徳川家康が宿泊していた寺でもあるのです。徳川が命からがら伊賀越えをして三河に逃げ帰った事件・・・(今真田丸を見ている人は、あ!と思うかもしれません)は歴史好きの人には有名な逸話です。中には入れませんでしたが、お寺を見ながらそういう時代を空想するのは楽しいものです。


妙國寺外観

一方仁徳天皇陵を初めとする前方後円墳については、周囲から見てもただの堀と小山でしかないので、不完全燃焼になります。こういう時はドローンでもあったら楽しいかもしれないですね。




これは履中天皇陵拝所



 

一応堺市役所の21階の展望室にただで行けるとあったので、行ってみたのですが、やはり形は全くわからなかったです。ただ、仁徳天皇って、そもそも空想を超えた昔の時代の話になってしまうので、あまりぐっと来ないんですけどね。

市役所展望ロビーから
中央の緑が仁徳天皇陵


 

2016年9月8日木曜日

今月末ロスに行ってきます!


今月22-28の1週間ロス!に行ってきますので留守になります。ロスと言えば勿論ロサンゼルスのことですよ!昔私が外来をやっていた時に、同じ医学部の同級生だった女性がお子さんを連れて受診してきたので、久しぶりだね~と言ったら、ええ、ロスに留学に行ってたので、と言われ、え、ロスって、ロサンゼルス?と聞いたら、当たり前でしょ!と言われてなんだかすごくカチンときた記憶が! ということで私もいつかロス!と言おうと思っていたのですよ。


いつものことですが、英語の発表はかなり私にはハードルが高く、テンション盛り下がってます。発表だけなら原稿作って読めばいいだけですが、とにかく質疑応答がね~・・・だって何質問されてるんだかわかんないし、わかったとしても返事の言葉がでてこない典型的なジャパニーズですからね。特にアメリカはだめですよ。ヨーロッパとかであれば、質問する方も、通じていないのがわかるとゆっくり話してくれたり、言い換えてくれたりと優しいのでまだ対処もできるのですが、アメリカ人は英語ができないとやたら冷たいんですよ。

昔アメリカのナッシュビルに講演に呼ばれて行ってきたことがあるのですが、質問がだらだら長くて何言ってるのか全然わからなくなって玉砕して帰って来たという苦~い思い出があるのです。結局その長~い質問に対して私が発した答えはparhaps! 以上・・・アメリカはそれ以来(ハワイは別物ですが)二度と行くもんかと思っていたんですが、ついに機会が来ちゃいましたよ。アメリカの形成外科学会なのですが、これは日本からの演題はなかなか採用されなくて、通常ポスターでの採用になるのですが、今回スピーチで採用になっちゃったもんで、まあ名誉なことではあるのですが、また玉砕しそうだな~😢

ということで、先週から英語の勉強始めました。付け焼刃ですが、それでもやらないよりはまだ精神衛生上いいかなと。でもなんでこんな簡単な英語が聞き取れないんだろうと落ち込みの日々です・・・今学生の方たちは、高校生レベルの英語で十分なので、それを今後維持することが重要だと思いますよ。いつ何時必要になるかわからないですからね。
と人に忠告しているよりも、まだ発表の原稿もスライドもできてないことが一番の問題かもしれない・・・

 
山シリーズで来てたので、今日は道南の駒ケ岳という感じで!


2016年9月6日火曜日

無事放映されました



実際に放映されたときはちょうど処置中だったので、帰ってから録画で見ました。私自身も実際の映像を見て始めて中身を知るわけですが、昨日の放映は、盛りだくさんの映像をぎゅうぎゅうに詰め込んだ感じでした。記者さん相当頑張って編集したんだと思います。かなりの日数を使っての撮影だったので、どうしても出したい映像が多かったんでしょうね。叶君の総集編的な纏めはとてもいい感じだったですよね。
傘をさしての私の通勤風景の白いジャケット姿、実は未来シアターの時は思い切りカットされたので、今度こそ採用されて良かったですよ。こうやって見てもそんなにやくざっぽくはないと思うんですけどね~。まあお世辞にも爽やかとは言えないですが。
居酒屋は私のお得意先の窟(くつ)というお店です。かなり前にもお伝えしたことがありますが、この店は医大のすぐ近くにあるので、入院のご家族の方はぜひご利用ください。多国籍料理でなんでも美味しいのですが、特にここのあんかけ焼きそばは絶品です。私のお勧めで来たとマスターに言えば、何らかのサービスがつきますよ。でも、ビール飲んでる姿は放映しなくても良かったかな~という気も。赤い顔したおっさんがクダ巻いてるだけ的な・・・
それでも映りたがっていた子たちは大体はトランプシーンのところでちゃんと顔出てましたので。
いずれ長編としてまた日の目を見ることがあるとは思うのですが、どういう形でどうなるのか未定です。
ちなみに撮影風景はこんな感じ。

こちらは窟で料理の撮影中。女性が今回ずっと担当していた記者さんです。

2016年8月29日月曜日

HBCテレビ(北海道限定です)放映予定


先日お伝えしたHBCテレビの放送ですが、今のところ暫定9/5()の今日ドキの恐らく17時半頃ではないかと思います。最近の台風騒ぎのために本当は8/30予定だったのが延期になったので、またもしかしたら変わるかもしれません。もし変更になったらご案内しますね。今回は何度も撮影にお越しになり、随分時間をかけていましたが、一応彼らとしてはさらに後日長編として放映することを目標にしているようですので、今回の放映は、前回取材した子が二回目の手術を受けてのその後的なものになるかと思います。今回撮影に協力いただいた方は、今回もし映っていなくても後日の放映には映っているかもしれませんので、がっかりしないでください。ちなみに、撮影時には、勿論事前に通達して、NGの方は映らないよう配慮していますが、多くの方には快くご協力いただきありがとうございました。

処置風景を撮影したときは、前日耳起こしの手術をしたばかりの二名(耳起こしの場合、移植皮膚がずれると困るので、基本翌日は処置しないのです)が、痛いのを我慢して撮影に参加しようと頑張って処置室前に並んでいて、今日処置ないよ、と言ったらかなりショックを受けていた様子がなんとも笑えました。ちなみに、私の朝の通勤風景を撮りたいと朝から待っていたり、仕事が終わって遅い時間に居酒屋で一人ご飯を食べているところを撮りに来たり、病院の外でインタビューを受けたりと、なかなか私も大変でしたよ。今回はそれらのシーンの放映はないと思いますが、記者さんカメラマン、限られた予算と時間の中で随分頑張っていたので、こちらとしても地方への還元という気持ちで頑張って協力しましたよ。

前回羊蹄山だったので、今回の写真は岩木山で!


2016年8月22日月曜日

もう秋風ですよ~・・・


長かった夏シリーズもあと少しというところまで漕ぎつけました。そして私はそろそろ冬シリーズの日程も考えないといけない時期となったわけですが、この冬は冬史上最大の希望者数なので、11月初めから1月中旬まで2か月半かけてみっちりと組まないとだめそうです。来月中にはご連絡を差し上げたいと思っております。ちなみに2月になると春シリーズが始まるので、最近は冬シリーズと春シリーズの区別が殆どつかなくなってしまっております。皆さん休みに重ねて組んであげたいのはやまやまなのですが、昨年で耳の子だけで年間148人の手術があったのです。どうやっても無理なのですよ。ご理解いただけますよう・・・

 

一点ここでお願いが。最近昔のメアドでご連絡いただき、返事がないとのことで外来に問い合わせが来るという事態が頻発しております。前のアドレスはもう使えなくなっているので、どうかこのHPの外来受診について、または手術予約についての項を確認して、必要事項を記載の上連絡いただけますようお願いいたします。できましたらLINE等行っている方は、新しいメアドを周知いただけると助かります。

 

さて、近畿大の予約状況ですが、金曜日はまだ何人か受け付けられる余裕がありますので、希望者はWhat’s New?の近畿大の外来予約のところから、ご連絡をいただければと思います。

 

北海道も夏はピークを過ぎて、そろそろ秋風が・・・という雰囲気になってきました。台風もなかなかの猛威をふるっており、夏好きの私のテンションも下がる一方です。やっぱり夏はいいですね~。夏は空が違う、雲が違う、空気が違う、草のにおいが違う、なにもかもワクワクする時期なのです。写真はニセコの羊蹄山の景色ですが、夏は山もとてもきれいですよね。下に見える黄色い筋はトウモロコシ畑ですよ。

 




あともう一点お知らせが。この夏北海道の地方テレビのHBCが何度か取材に来ていましたが、とりあえず第一弾として今月末に放送されるようです。まだはっきりはしていないので、日程がちゃんと決まったらご報告します。他の地域の方は見られなくて残念ですけどね。
 

2016年8月4日木曜日

にんじん教室









夏シリーズも夏休みに入るころにはすでに全行程の半数の位の方はすでに退院し、現在は後半戦に突入中です。なんたって5月末からシリーズ始まってますからね~。今のところ私は元気です。というのも、7月から2か月間香川大の先生が見学に来ているのですが、見学といっても、もう形成外科医としてはベテランの域に入っている方なので、フルにお手伝いしてくださっていて、おかげで相当に助けられております。違う施設でトレーニングをされてきた方は視点も違うので、質問されて逆に私が今まで意識していなかったことを聞かれて、なるほど!と気づかされることも多々あるんですよね。一方夏休み中の外来の方は過酷な2回を何とかクリアしましたが、まだまだ混雑は続きそうな・・・

 せっかく耳の勉強をしに来ていただいているので、できる限りのことは伝えようとは思っているのですが、私の脳みそはいわゆるばりばり文系構造で、長嶋ばりに、ここにこう来たらカーンと打つんだ!的な漠然とした説明が多いようで(うちの先生たちの指摘によると)、理系頭で理路整然と説明する能力に欠けているそうなのですよ(これに関しては全く否定できない・・・)。

 ということで、せめて実践的な練習を!と、にんじんを使って軟骨細工のトレーニングを一緒に行ってみることにしました。にんじんは軟骨とは感触は違うと言え、立体的なプロポーションや厚さの加減を知るには適していて、非常に優れたモデルになることがわかりました。厚さ1cmくらいにスライスしたにんじんを、手術同様にメスと彫刻刀で細工して、虫ピンで固定しています。手術ではワイヤーで固定するのですが、にんじんだとワイヤーで締めるとさけてしまうので、虫ピンにしたのですが、新種のオブジェのようですよね。これ、こんな感じで作るんですよ、と初めてのにんじんを相手に15分くらいでちゃちゃっとやってみた割にはなかなかそれっぽくなってると思いません?もっともにんじんだと材料はなんぼでもあるので、失敗したらポイして新しいので細工を始めれば済むのですが、実際の手術ではわずかの軟骨も貴重ですから、細工のプレッシャーは全然違います。香川の先生、手術の時も相当レベルの高い次元での会話になっていますし、にんじんモデルも非常に上手にできていたので、いつ手術を始めてももうかなりの結果が出せるんじゃないかと思います。
  
 一方いつも手術に参加して軟骨細工の助手をたくさんしてきたうちの先生たちも、助手と自分で作るのはまたかなり状況が違うようで、私の予想以上に苦戦していました。非常に良い実践トレーニングになることがわかったので、これから不定期ににんじん教室を開催していく予定です。

 






2016年7月19日火曜日

近大予約状況について

今日朝に近大外来予約の案内を出しましたが、あっという間に土曜の予約がほぼ埋まってしまい・・・土曜は今12時~13時枠に多少の空きが残っている程度です。あとは金曜日での申し込みとなります。なお、予約枠に限りがあります。あちらの外来のスタッフにご迷惑をおかけするわけにはいかないので、枠が埋まった時点で申し込みは終了とさせていただきますのでご了承ください。

2016年7月15日金曜日

近畿大外来について


今年は近畿大での外来を9/16,17で予定しています。来週早々にこのコーナーではなくHPのトップページのWhats Newのところから受診申し込み方法についてご案内を出します。それを見てお申し込みください。

メールをいただいた方から先着順で予約を取っていきますので、希望の日時とならない場合はご了承ください。

この外来は当科での術後の方を対象とした外来です。術前の方、新患での診察を希望する方の診察は行っておりません。

2016年7月4日月曜日

お手紙


夏シリーズは5月末から始まっていますので、すでに最初に手術を受けた方から続々と退院組もでています。退院の時に子供たちからは精いっぱいの気持ちの乗った、心がほっこりするお手紙をいただきます。同時にご家族からもいただくことがあり、手紙を読んで初めてそうだったんだ!と私が知ることも少なくはないんですよ。入院前の気持ちの葛藤や、入院中の出来事など、私なんかが知っているのはそれぞれの家族や本人のドラマのほんの一部分だけですからね。で、先日退院された女の子のお母さんからいただいたお手紙は、これから手術を受けるかどうか悩んでいるような方にとっても読む価値のある内容と思ったので、許可をいただき載せさせていただくことにしました。ここに載せると、まるで私が自画自賛しているようで若干面はゆい部分もあるのですが、そのままの内容で掲載させていただきます。

 

四ッ柳先生、娘に素敵な耳を作って下さり、何とお礼を言って良いのか分からない程感謝しています。

先生との出会いは、2年前の夏でした。手術に乗り気でなかった娘に「先生、ウソつくの嫌だから本当の事言うね、手術って痛いんだよね。○○ちゃんが頑張れるなら、先生も頑張って耳作るけど、こんなはずじゃなかった!と言われても先生困っちゃうからさあ・・・頑張れるかい?」と聞いて、うつむいた娘に、「痛いからやめちゃおっかー!」と。そのときパァーっと笑顔で「やります!」と言い、親の方が驚く程、それから前向きになりました。2回の手術で、1か月ほど学校を休むことをクラスの子に不思議がられ、先生に「みんなに話したい」と未来シアターの四ッ柳先生の特集を見ながら、「私も小耳症なので、この手術をしてみんなと同じ耳を作ってもらいに北海道に行きます。耳は出来ても右耳は聞こえないので、困ったときはみんな助けてください」と言ったそうです。

手術後辛い時、私がどんなに「大丈夫?」と声を掛けても反応しなかった娘が、四ッ柳先生が部屋にみえたとき、起き上がって笑おうとする姿に「私、頑張ったよ」と訴える様で、先生も「もう大丈夫だからねー、今日より明日には楽になるからねー」と声を掛けて下さり、そこで初めてホォーっと安心した様子に、改めて耳の親は四ッ柳先生なんだと思いました。

ですので、退院後も耳のことは四ッ柳先生に相談し、ずっと見守って頂けるということが、娘も安心できる事ですので、これからもよろしくお願いします。

毎日、手術や外来、と忙しい中に処置をしに上がって下さり、子供たちとの会話にも付き合ってくださる先生の心の広さ、優しさ、人柄。会うたび、接するたび、子供がどんどん好きになって、なついていくのが、もうひしひしと感じる入院生活でした。

小耳症ということで、辛い思いもしたけれど、四ッ柳先生に会えたのは、小耳症のおかげだと思えるほど、先生との出会いには、私にも娘にとっても人生において本当に意味のある大切な事です。

先生にめぐり逢えてよかったです。

娘に素敵な耳をプレゼントして頂き本当にありがとうございました。

 

以上です。

手紙掲載の許可をいただきありがとうございました。でも、私にとっても一人一人との出会いは大事な財産なんですよね。それと、私にとっては処置の時間の積み重ねが子供たちとの距離を近づけられる貴重な時間なんですよ。あまりに忙しいとなかなか仲良くできる時間が取れなくなってしまうのが悩みの種です。

 

写真は大通公園。こうやって見るとちょっとイングリッシュガーデンっぽいですよね。

 

2016年6月20日月曜日

訪問者


 前の記事で香港大の学生のことを書きましたが、最近うちへの訪問者が多いのです。先週までは北里大の学生が3週間研修に来ていましたし、今週は岡山大学の医師が2名、3日間ほどお越しになる予定です。さらに、香川大の医師が78月と二か月間、また7月から来春までの近畿大の医師がこちらで仕事をしてくれることになっています。これまでもちょこちょこ色々な施設の先生がこちらに手術の見学にお越しになったりしていましたが、これだけ続けてというのはこれまでなかったことです。これは我々にとっても大いに種々刺激となり、今後の交流の幅が広がるという点でも有益なんですよね。またどの医師も非常に忙しいところを見学に来ていただけるということは非常に名誉なことでもあります。
 
 

 訪問者と言えば、また地方局のHBCテレビの収録が始まっています。これは昨年男の子の初回術前後を追ったドキュメントを撮影し、10分ほどニュース番組で放映されたのですが、来週その子が2回目の入院をするので、その様子を撮りに来ます。ただ、今後さらにもう少し幅を広げた番組も作りたいという記者さんの希望で、おとといの私の4年生の医学部学生講義まで撮影していきましたよ。これはちょうど耳の治療に関する講義でもありました。実はその前の講義で学生に耳の絵を書かせていて、その中で上手な絵を書いたもの、独創的?な絵を書いたもの計4名を今回の講義で表彰したので、講義としてはなかなか盛り上がったのではないでしょうか。ちなみに表彰の賞状のほかに商品もあるんですよ。上手な絵には、ベストイヤーアワード(イヤーでかけてるのわかりますよね❕❔)として傷を縫う針を持つ器具の持針器というもので、まだ実地での研修をやっていない彼らにとっては、なんとなく嬉しいものではないかと思います。独創的な絵のものには、オリジナルイヤーアワードとして手術見学券です。と言っても実は夏休み中などに手術を見たいと来てくれれば医学生ならそんなものなくてもいつでもOKなんですけどね。
 

絵を書かせる目的は、耳の絵が描けるように、などということを期待しているわけではなく、毎日見ているようで実は人体をいかに解剖学的に理解していないものかを知ってほしいということ、そして、医師は解剖学的に正常とは何か、異常とはどこがどのように異常なのか、きちんと評価して表現できる能力を身に着けていく必要があるからです。これは一部の人を除き、勉強と努力でしか得られないものですから、気づいて意識していってくれたらいいな~と思っているのですが。

 
これがベストイヤーアワードの二人の絵。これはなかなかですよね。ひどい絵の方はあまり過ぎてとてもここでは公開できません・・・

2016年6月18日土曜日

香港大の学生


先月のことですが、香港大学3年生の女性が1週間科に研修にました。私としては、1週間へたくそな英語で明かあ~とややテンション低めだったのですが、事務員に連れられてきたその女性は、いきなり流暢な日本語で話し始めたものだからびっくり!日本語で大丈夫?と聞くと、大丈夫ですとのことでかなりほっとしました。驚いたのは、私の早口のやや訛りの強い?言語でも全く普通に理解するのですからたいしたものです。しかも、日本にたのは旅行でちょっと遊びにたことがあるくらいで、全部自分で勉強して身に着けたものだそうです。香港ですから然英語もできるわけで、しかも本人の希望で高校の3年間はイギリスに留学していたそうなので、そりゃ英語もペラペラですよね。種々話を聞いてみると、香港には医学部が二つしかないとのことで、香港の人口が700万以上の割に少ないなとも思いますが、とにかく相に優秀な人であるのは間違いないです。さらにうちの先生が調べてみたら、香港大は東大かそれ以上の大学とのことですから東大理3かそれ以上ってことですよね。

 

で、現在20歳・・・香港が日本と同じく18で大学入学ということで、ん?3年生だと計算が合わない、と思ったら、なんと実は1年飛び級しているとのことで、これはもう化け物級の頭です。それじゃあ語学の能力も尋常じゃないかと納得。さらにまだ3年で臨床の方はそう勉強していないはずで、しかも形成外科なんてますますわけのわからない世界だと思うのですが、聞いてくる質問が、理解していないとできない的確な容で、感心しきり。たまたまその時にやっていた手術の概念が特に理解しにくい容で、たぶんうちの学生もあんまりわかっていないだろうな~という容だったので、これもすごいとしか言いようがないです。ちなみに日本語は非常に綺麗で、ほとんどのことが分かっていて聞き返すこともない、さらに川家康ってわかる?というと聞いたことありますとのこと。また、ことわざまで通じるのですよ。一方で、ちょいちょいやってます、なんて言葉の使い方も普通にするわけで。彼女は嵐のファンで、DVDで勉強したと言ってますが、それだけでこんなに日本語ができたらみんな苦しないですよね。とにかくすべてに驚きでした。でもとっても謙で、見た目の普通の女の子なんですよね~・・・卒業したら日本の医師免許取ってうちにおいで~と誘ってはおきましたが、万が一うちにても、あの頭を、能力分開花させてあげる自信が私にはありません。

 
今函館の病院に出ているうちの女医さん・・・仕事はめちゃめちゃできるのですが、日本語に関してはかなり不安で、ピザの斜塔なんてことを気軽に言いますし、慶大学の創始者を聞くと慶さんですか?と言うレベルですから、まあつまり頭はいいけど興味のないことはえるがないという子です。先日函館に行ったときに、その先生に香港の子の話をして、もしかして先生より日本語できるかもよ~と言ったら、いくらなんでもそんなわけないですよ~と力強く言われたので、でも彼女、ことわざも知ってるよ、と言ったら、あ・・・私よりできるかも~とあっさり白旗あげてました。とにかく、世の中にはすごい人がいるものですね~。