2016年6月20日月曜日

訪問者


 前の記事で香港大の学生のことを書きましたが、最近うちへの訪問者が多いのです。先週までは北里大の学生が3週間研修に来ていましたし、今週は岡山大学の医師が2名、3日間ほどお越しになる予定です。さらに、香川大の医師が78月と二か月間、また7月から来春までの近畿大の医師がこちらで仕事をしてくれることになっています。これまでもちょこちょこ色々な施設の先生がこちらに手術の見学にお越しになったりしていましたが、これだけ続けてというのはこれまでなかったことです。これは我々にとっても大いに種々刺激となり、今後の交流の幅が広がるという点でも有益なんですよね。またどの医師も非常に忙しいところを見学に来ていただけるということは非常に名誉なことでもあります。
 
 

 訪問者と言えば、また地方局のHBCテレビの収録が始まっています。これは昨年男の子の初回術前後を追ったドキュメントを撮影し、10分ほどニュース番組で放映されたのですが、来週その子が2回目の入院をするので、その様子を撮りに来ます。ただ、今後さらにもう少し幅を広げた番組も作りたいという記者さんの希望で、おとといの私の4年生の医学部学生講義まで撮影していきましたよ。これはちょうど耳の治療に関する講義でもありました。実はその前の講義で学生に耳の絵を書かせていて、その中で上手な絵を書いたもの、独創的?な絵を書いたもの計4名を今回の講義で表彰したので、講義としてはなかなか盛り上がったのではないでしょうか。ちなみに表彰の賞状のほかに商品もあるんですよ。上手な絵には、ベストイヤーアワード(イヤーでかけてるのわかりますよね❕❔)として傷を縫う針を持つ器具の持針器というもので、まだ実地での研修をやっていない彼らにとっては、なんとなく嬉しいものではないかと思います。独創的な絵のものには、オリジナルイヤーアワードとして手術見学券です。と言っても実は夏休み中などに手術を見たいと来てくれれば医学生ならそんなものなくてもいつでもOKなんですけどね。
 

絵を書かせる目的は、耳の絵が描けるように、などということを期待しているわけではなく、毎日見ているようで実は人体をいかに解剖学的に理解していないものかを知ってほしいということ、そして、医師は解剖学的に正常とは何か、異常とはどこがどのように異常なのか、きちんと評価して表現できる能力を身に着けていく必要があるからです。これは一部の人を除き、勉強と努力でしか得られないものですから、気づいて意識していってくれたらいいな~と思っているのですが。

 
これがベストイヤーアワードの二人の絵。これはなかなかですよね。ひどい絵の方はあまり過ぎてとてもここでは公開できません・・・

2016年6月18日土曜日

香港大の学生


先月のことですが、香港大学3年生の女性が1週間科に研修にました。私としては、1週間へたくそな英語で明かあ~とややテンション低めだったのですが、事務員に連れられてきたその女性は、いきなり流暢な日本語で話し始めたものだからびっくり!日本語で大丈夫?と聞くと、大丈夫ですとのことでかなりほっとしました。驚いたのは、私の早口のやや訛りの強い?言語でも全く普通に理解するのですからたいしたものです。しかも、日本にたのは旅行でちょっと遊びにたことがあるくらいで、全部自分で勉強して身に着けたものだそうです。香港ですから然英語もできるわけで、しかも本人の希望で高校の3年間はイギリスに留学していたそうなので、そりゃ英語もペラペラですよね。種々話を聞いてみると、香港には医学部が二つしかないとのことで、香港の人口が700万以上の割に少ないなとも思いますが、とにかく相に優秀な人であるのは間違いないです。さらにうちの先生が調べてみたら、香港大は東大かそれ以上の大学とのことですから東大理3かそれ以上ってことですよね。

 

で、現在20歳・・・香港が日本と同じく18で大学入学ということで、ん?3年生だと計算が合わない、と思ったら、なんと実は1年飛び級しているとのことで、これはもう化け物級の頭です。それじゃあ語学の能力も尋常じゃないかと納得。さらにまだ3年で臨床の方はそう勉強していないはずで、しかも形成外科なんてますますわけのわからない世界だと思うのですが、聞いてくる質問が、理解していないとできない的確な容で、感心しきり。たまたまその時にやっていた手術の概念が特に理解しにくい容で、たぶんうちの学生もあんまりわかっていないだろうな~という容だったので、これもすごいとしか言いようがないです。ちなみに日本語は非常に綺麗で、ほとんどのことが分かっていて聞き返すこともない、さらに川家康ってわかる?というと聞いたことありますとのこと。また、ことわざまで通じるのですよ。一方で、ちょいちょいやってます、なんて言葉の使い方も普通にするわけで。彼女は嵐のファンで、DVDで勉強したと言ってますが、それだけでこんなに日本語ができたらみんな苦しないですよね。とにかくすべてに驚きでした。でもとっても謙で、見た目の普通の女の子なんですよね~・・・卒業したら日本の医師免許取ってうちにおいで~と誘ってはおきましたが、万が一うちにても、あの頭を、能力分開花させてあげる自信が私にはありません。

 
今函館の病院に出ているうちの女医さん・・・仕事はめちゃめちゃできるのですが、日本語に関してはかなり不安で、ピザの斜塔なんてことを気軽に言いますし、慶大学の創始者を聞くと慶さんですか?と言うレベルですから、まあつまり頭はいいけど興味のないことはえるがないという子です。先日函館に行ったときに、その先生に香港の子の話をして、もしかして先生より日本語できるかもよ~と言ったら、いくらなんでもそんなわけないですよ~と力強く言われたので、でも彼女、ことわざも知ってるよ、と言ったら、あ・・・私よりできるかも~とあっさり白旗あげてました。とにかく、世の中にはすごい人がいるものですね~。

2016年6月12日日曜日

香川





 先週末は仕事で香川に行ってました。金沢の次は香川かい!とお思いかもしれませんが、前のHPからご覧になっている方は、実際よく香川に行っているなと思っているかと思います。前から香川大の田中教授とは懇意にさせていただいており、その縁で仕事上種々連携させていただいているのです。この田中教授、今年中に退官されてしまうのですが、こんな優秀な方が第一線から退くのは非常にもったいないことです。なにせ、臨床の仕事も研究の仕事もどちらも高いレベルでされている方なんて、形成外科学会の中にそうそういらっしゃらないですからね。私なんかも若いうちは多少研究もしましたが、もはや臨床だけで十分容量オーバーになっちゃってますから情けないものです。実はこの田中教授は世界で初めて動脈静脈を顕微鏡で吻合して切断された耳の完全接着に成功した方なのですよ。さて、今回は2泊3日で行ったのですが、最近は私も香川にはかなり慣れたので、レンタカーを借りて移動しております。到着日は夕方まで多少時間があったので、まずは空港からまっすぐ有名な山下のうどんを食べに。うどん屋は2時には店じまいするところが多いので、ちゃんと調べてから行かないと悲しいことになるのです。

 山下のうどん


              

山下からは金比羅さんが近いので、3年ぶりに行こうかと思い立ち、と言っても登る気はさらさらなかったのですが、私と一緒に行った先生が登るのは当たり前、という感じだったのでなんとなく登ることになってしまいました。今回一緒に行った相棒はマラソン大会にもちょくちょく出ているやつなので、奥の院まで余裕綽々でしたが、なんたってトータル1368段ですよ。私は最近運動不足ということもあり、完全に息が上がってしまいました。軽い気持ちで登ると後の仕事に差し支えますって・・・ちょっと後悔。
  
 奥の院から望む讃岐富士
 
 
 翌日は仕事をして、最終日は朝に大学に行ったあと、相棒が香川初ということもあり、一件はお寺にお参りをと思い、今回は四国で一番高いところにあるという66番札所の雲辺寺(うんぺいじ)というお寺に向かいました。ここはロープウェーで登るのですが、天気が良ければ遠くまでよく見え景色も良いところなのですが、この日は残念ながら、もやっていて視界は不良でした。それでも上の500羅漢の像は圧巻で、山の上によくこれだけの規模のお寺を作ったものだと感心して帰ってきました。ちょっと遠出だったので、帰る前にもう一件うどん屋に行く時間が作れなかったのが残念です。

   雲辺寺の500羅漢


 

 香川というと、のどかな日本昔話のような景色が素晴らしいので、私はもし香川に住んだとしたら、どこに住もうかと思いながらいつも車を走らせるのですが、期待通り毎回、あ、ここいい!と思うところがあるんですよね~。まあどう考えても香川に住む可能性はないのですが。梅雨の真っただ中であるにもかかわらず、滞在中全く雨にかからなかったのはラッキーでしたが、やはり30度を超えると北海道からいきなり降り立った身にはしんどかったです。 
              

高松市の日本一長いショッピングモール   金比羅さんで見かけたツバメの巣 
                                       もうすぐ巣立ちそうですね 
                         





    

  



 




 先週末、父親の納骨のために函館の実家に帰ってました。折角少々まとまった時間実家にいる機会なので、今回は親孝行に庭を整備しようと目論んでいました。実家は女性しかいないので、力仕事があまりできないんですよね。以前から函館出張の折には実家に顔を出してから帰るようにはしていたのですが、ほんとに顔見せだけで、お茶を飲んだらもう飛行機の時間的な状況だったもので、これまで久しくそういうことをしていなかった、というか、考えて見たら、高校を卒業してからこれまで実家のために何かしたという記憶がないのです。


 そこで、今回はホームセンターであれこれ材料を買い込んで、庭の大変身に挑みました!庭は元々ごっちゃに木々と花々が植えられていて、すずらんも勝手に繁殖して、ということで、植物にはもう手を回せなかったのですが、庭の中央に通路を作り、枕木で花壇を仕切り、ウッドチップを撒き、もうこれだけでも生まれ変わると思いきや、何だか全然あか抜けない!やむを得ずもう一回ホームセンターに行き、通路用に敷物等も購入し、石を並べかえたりレンガをオブジェ風に奥の方に置いてみたりして、まあ何となくはちょっと格好良くはなったと思うのですが、頭で思い描いていた洒落た庭にはほど遠く・・・まあしょせん素人がやってもこんなものだとは思うのですが、これはこれでかなりのセンスが要求されるのだろうと思いましたよ。結論としてはセンスが重要なのはどの世界もおんなじだ!前もって庭の本を見て勉強しておけば良かった・・・勉強が必要なのもどの世界もおんなじか!私の専門は耳作りなので、庭作りができなくても誰にも文句を言われる筋合いはない!一応トマトときゅうりも植えて来たので、せめてそいつらが元気に育ってくれれば成果ありと思っております。

 

 実家は背後がお寺、道路を挟んだ向かいが教会という何とも立地条件の良いところにあるので、それ自体すでにハンデなのですよ。ちなみに庭を背にお地蔵さんが立っているので、お寺にお参りに来た方は、皆さん一生懸命実家に向かって拝んでおります。