2024年10月11日金曜日

弘前大学外来診療のお知らせ

 

本年12/6(金)14:00-16:30に外来を行います。希望者は弘前大学形成外科外来に電話予約ください。この外来は弘前大学形成外科を受診したことのある再来患者のみが対象となります。新患患者は受け付けていませんのでご了承ください。

2024年10月4日金曜日

ハイブリッド人工耳介(生体内再生医療による世界初の新治療)の 治療希望者を募集します




 当院では、肋軟骨を使用しない新たな耳介の再建法を開発し、国の承認を受け、ハイブリッド人工耳介を埋植する臨床研究を始めました。20246月に1例目の移植手術を行いました。現在来春以降に2例目の治療を行うべく準備を進めており、治療希望患者を募集いたします。対象になる方で、興味をお持ちにになられた方は、私宛にご連絡ください。

 

対象者:

18歳以上未治療片側耳垂残存型(耳たぶ分の耳がある)の小耳症の方

 

対象人数:

来年度1~2名

 

治療方法:

ご自身の正常な耳から軟骨を一部採取、細切し、酵素にて処理した軟骨細胞と、細胞増殖因子を加え、人工耳介フレームに散布したもの(ハイブリッド人工耳介)を患側皮下に移植します(これらの工程は一度の手術で全て行います)。体内で軟骨細胞が急速に再生(生体内再生)し、軟骨が人工耳介表層に広がります。ハイブリッド人工耳介自体は、徐々に軟骨に置き換わり、3-5年かけて吸収されていきます。ハイブリッド人工耳介は、私がこれまで臨床で作製してきた肋軟骨フレームの形態をモデルに3Dプリンターで作成しています。利用している材料や薬剤は、いずれもすでに医療材料として認可を得、臨床で用いられているものであり、また安全性試験も重ね、人体に悪影響を及ぼすものではないことを確認しています。

            

            耳介後面から軟骨を                      採取した軟骨を微小細切        酵素処理した軟骨と細胞増殖因子を 

         一部採取                                                    人工耳介フレームに散布すると完成 

入院、手術回数と期間:

2回の入院(各34週間)と3回の手術(初回入院時に2回、2回目入院時に1回)を行います。 手術はいずれも全身麻酔です。初回入院では、初めにティッシュエキスパンダー挿入術、その約10日後にハイブリッド人工耳介移植術を行います。2回目の入院時に耳介挙上術を行います。

 

費用:

入院手術に関する費用は通常の肋軟骨移植時、耳介挙上術時と同等です。通院、宿泊に要する費用については、ある程度の負担(1回の受診につき55820円まで)が可能です。もし合併症を生じた場合に要する治療費用等の自己負担はありません。

 

ご連絡をいただいたのちの進み方:

まずメール等でやり取りし、疑問点等確認いただき、その上で前向きに検討したいと思った方に受診いただきます。詳細を説明し、納得いただければ同意をいただきます。同意をいただいた場合、適応となる確認のための検査をし、入院日程をご相談します。

 

留意事項:

1)       将来的には対象年齢が下がり、多くの人に恩恵があるよう願っておりますが、当分の間、入念な準備を行い、慎重に経過を診ながら一人ずつ行う必要があることから、一度に多くの人を治療できるものではありません。

2)       また本術式の長期成績は出ておらず、肋軟骨移植が確実でもっとも安定した術式であるという事実は変わりません。肋軟骨移植という手段に強い抵抗があり、これまで手術に踏み出せなかった方などが対象です。肋軟骨採取が必要ないので、術後の疼痛に関してはかなり軽減されることが本法の一番の利点です。

3)       不慮の事態が発生した際に、受診が可能な柔軟な状況にある方が望ましいです。

4)  軟骨の再生力は若いほど強いと考えられますので、当面は年齢の点も配慮して進めたいと考えています。

 

担当者および連絡方法:

札幌市中央区南1条西16丁目291 

札幌医科大学附属病院形成外科

四ッ柳高敏、上田直弘

 

ご氏名、ご住所、電話番号、生年月日、おおよその身長体重、合併症、についてご記載の上

以下のメールまでご連絡ください

e-mail: komimi.yotsu@gmail.com