2022年1月15日土曜日

手術適齢時期について

 HPの方にも、記載しているのですが、メールのやり取りの中で、これまで当科を受診されていない方は、手術時期に関して十分理解をされていないように思いますので、改めて説明させていただきます。 軟骨が適度の弾性を有し、かつ成熟していて、十分な体格を有し、体への少ない負担で十分量の軟骨を得られる、ということから、本来の肋軟骨移植の理想の時期は中学~高校生です。 
小学3年生の肋軟骨断面
中央は軟骨が未熟で十分形成されていないのがわかる。
小学5,6年生でもこの未熟な部分はかなり残っているため、
重要な部位に外側部分が来るよう苦労して作成しているのが実情!


  ただ、1か月近く入院で学校を休むことを考えると、中学生以降では厳しいという現実を考えて、やむを得ず小学校の5,6年まで落としているということです。この手術は早くやって良い点は何一つありませんので、体格に恵まれていても、それより前倒しすることはしません。高校生くらいから徐々に軟骨は硬くなってきますが、大学生くらいまでであれば、軟骨の細工は可能ですし、そんなに遜色なく耳介の形成が可能です。

この方は20歳で手術を行なったが、
全く遜色のない綺麗な耳ができている。

 なお、初回手術から二回目までどのくらい空いても大丈夫か?という点に関しては、確固とした意見をもっていないのですが、これまでの私の経験からは、2年くらい空いた方はいらっしゃるのですが、少なくともそのくらいであれば問題ありませんでした。ただ、耳が硬い頭に張り付いた状態だと、外力からの逃げ道がなく、慢性的な枕の圧迫や、強い打撃などによって、変形を生じてくる可能性はありますので、あまり長く空けすぎないほうが良いようには思います。

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